外資系に浸透する「他者に貢献」「協力しあう」行動指針
J‐CASTニュースBiz編集部は、調査を行なったオープンワーク広報担当者に話を聞いた。
――外資系企業が特に管理職の評価が高いのはなぜでしょうか。
広報担当者 1位と2位のアマゾンとマイクロソフト。どちらも世界的有名企業で、両社のクチコミから見えた共通点は、組織に浸透した「行動指針」でした。コミュニケーションや課題解決において、役職に捉われず共通の視点でディスカッションができること、悩んだ時に立ち返れる指針があることは、管理職が組織を運営するうえで大きな助けとなります。
アマゾンには「Our Leadership Principles」(OLP)という16項目の行動指針があります。マイクロソフトにも失敗を恐れず常に学び続けることを意味する「Growth Mindset」や、他者の成功にどれだけ貢献できたかが評価につながる「他者への貢献」の指針があり、チームを率いる上での指標となっていることが見てとれます。両社のクチコミを紹介しましょう。
アマゾン ウェブ サービス ジャパン「OLPという行動規範や、Still Day 1というカルチャーが深く社員に浸透しており、モチベーションの高い社員が多い。組織をまたいだ活動も多く、みな協力的で仕事は非常にやりやすく、キャリアパスも多いため自身の都合で異動する(実現したいキャリアがある場合)ことも出来る」(営業部長、男性)
日本マイクロソフト「特に印象的なのは会社全体で『他人の成果にいかにポジティブな影響を与えているのか』『他人の成果を使っていかにどうビルドアップしていったのか』がパフォーマンス評価のポイントになっている点です。
それも相まって、『協力』が能力の1つとして重要視されます。本来個人プレイヤーとしての能力の高さを持っている方も多いうえ、周りのサポートやコーチングができる方が多い気がします」(ビジネスマネージャー、女性)
日本マイクロソフト「オープンでポジションに関係なくすべてのメンバーが自由に意見を上げ議論のできるカルチャーがある。Growth Mindsetという言葉がよく使われ、今の状況や自分の限界だと思っている世界に留まることをよしとせず、失敗をしても挑戦を続ける姿勢が重要視されます。
失敗はまったく咎められません。部門の壁を越えて連携することでいかにインパクトを最大化できるかに軸を置いているため、さまざまなチームとコミュニケーションを取る機会が多く、さまざまな視点を知り合えることもよい」(マーケティングマネージャー)
4位のセールスフォース・ジャパンの企業文化は、ハワイ語で「家族」を意味する「Ohana」(オハナ)がよく知られています。家族的な雰囲気の中で、お互いに協力し合う明確な行動指針が社内に浸透しているのでしょう。