「資格取得後は副業でもいいから実務経験を」
Aさんによれば、求人情報の中には「必須要件」「歓迎要件」として資格名が書かれていることがあるという。
「調査結果で『リスキリングで年収が増えた』と答えた人の割合が最も高かったマーケティングでは、『ウェブ解析士』や『IMA検定』などの資格名をあげて『デジタルマーケティングに関わる資格をお持ちの方』を応募要件としている求人があります」
選考にあたっては、やはり実務経験の有無の影響が大きく、それなりの規模の企業やサービスで実績をあげていれば十分だ。しかし、未経験だったり経験が浅かったりした場合には、資格の有無が採用の決め手になる場合が多いそうだ。
他にも、ITエンジニア部門であれば「情報処理技術者試験」やプログラミング言語関連資格、「AWS認定資格」などクラウド関連資格、「CISSP」など情報セキュリティ関連の資格、データ分析部門であれば「統計検定」「データベーススペシャリスト試験」「統計士」「データ解析士」などの資格があるという。
Aさんは、転職前に資格取得するうえで3点、注意を呼びかける。
「1つ目は、求人に関係ない資格をたくさん並べないこと。これは採用担当者を戸惑わせるだけで、資格マニアは現場で歓迎されません。2つ目は、資格は応募要件でしかなく、取得すれば必ず採用されるわけではないということ。3つ目もそれと関係しますが、資格取得とともに、副業でいいから、少しでも実務経験をしておくと評価が大きく変わるということです」
また、あまりにも難関の資格を目指し、その勉強に時間や労力を掛けすぎて疲弊しても意味がないのは言うまでもない。Aさんは「特にITやデジタルの領域は、勉強やトレーニングが合理的に体系化されているのでキャリアチェンジがしやすい」ので、まずは求人をチェックしてみることをおすすめしたいという。