数時間単位で働く、1回限りの「スポットワーク」に使えるサービス
――なるほど。1つのサービスに給与がデジタル払いされると、ほかのサービスで使いづらくなると心配しているのですね。第1号のPayPayに続き、複数の事業者が申請中ですが、給与デジタル払いの動きは今後広がるでしょうか。
調査担当者 現在、通信各社が金融サービスを提供し、経済圏の囲い込み競争が激しくなっています。給与デジタル払いも決済サービスを1つ選べば確実に利用されるため、囲い込みしやすくなるでしょう。
また、給与デジタル払いは、近年広がりを見せている「スポットワーク」との親和性が高いと言われています。
スポットワークは若者からシニアにも人気の「数時間単位で働く、1回限りのアルバイト」です。企業や店舗は、人手がほしい時間帯にピンポイントで求人を出します。
働く人は、自分の空き時間にできる仕事をアプリ上で選び、雇用契約を結ぶ仕組みです。働いてすぐにお金がほしいという利用者に対し、24時間いつでも入金される給与デジタル払いがあるのは魅力的に思う人も多いでしょう。
――今回の調査で特に強調しておきたいことがありますか。
調査担当者 給与デジタル払いは、キャッシュレス推進にはよいサービスとも言えますが、事業者・労働者ともに、メリット、デメリットを理解して利用することで、双方の働きやすい環境づくりにもよいサービスとなりえます。今後の動きにも注目していきます。
(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)