「イトーヨーカドー」の名は消えるのか 大量閉店のさなか投資ファンドへ売却報道

   店舗の閉鎖が相次ぐイトーヨーカドー。そのさなか、親会社のセブン&アイ・ホールディングス(HD)が、投資ファンドにスーパー部門の売却を検討していると複数のメディアが報じた。

   1920(大正9)年、東京・浅草に「羊華堂」として誕生以来、100年以上の歴史を持つ総合スーパーの名が、消えてしまう日が来るのか。

  • 9月29日に営業終了したイトーヨーカドー津田沼店
    9月29日に営業終了したイトーヨーカドー津田沼店
  • ダイエーの店舗(2006年)(写真:ロイター/アフロ)
    ダイエーの店舗(2006年)(写真:ロイター/アフロ)
  • 9月29日に営業終了したイトーヨーカドー津田沼店
  • ダイエーの店舗(2006年)(写真:ロイター/アフロ)

津田沼店、弘前店、上板橋店が

   イトーヨーカドー津田沼店(千葉県習志野市)と弘前店(青森県弘前市)が2024年9月29日、営業を終了した。それぞれ46年、47年と半世紀近くの歴史に幕を下ろした。両店とも、終業時間には店の前に多くの人が詰めかけ、スマートフォンで写真を撮るなどして別れを惜しんだ。

   この日は、上板橋店(東京都板橋区)も最終営業日だった。

   こうした光景は最近、毎月のように全国のどこかで見られる。イトーヨーカドーは26年3月までに33店舗の閉鎖が決まって、「閉店ラッシュ」の真っ最中なのだ。

   さらにセブン&アイHDは、イトーヨーカドーなど傘下のスーパー事業を売却する方向だと報じられた。ただ、「過半数の株式を売却する方針」(日本経済新聞電子版、10月4日付)、「一部売却」(東京新聞電子版、同)と、報道には濃淡がある。売却先候補として海外ファンドがあがっているとも伝えられた(読売新聞電子版、同)。

   セブン&アイHDを巡っては8月、カナダのコンビニ大手「アリマンタシォン・クシュタール」が買収提案を表明。その額は6兆円とも言われるが、セブン&アイ側は9月、これを拒否した。

   イトーヨーカドーなどスーパー事業は、4年連続の赤字。セブン&アイHDとしては早期にこれを売却して企業価値を高め、さらなる買収提案に対抗するねらいがあるようだ。

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