男性が電車内で女子高校生に密着し、太ももなどをさわる様子の動画がXで拡散された。投稿によると、須磨学園高校(神戸市)の男性教諭と女子生徒だという。投稿は2024年10月3日までに削除されているが、学校側は取材に対して事実関係を認めている。教諭に対して懲戒処分を行ったとしているが、その内容は明らかにしていない。
同校をめぐっては、同校の別の男性教諭が、SNSで知り合った女子高校生を誘拐したとして、未成年者誘拐の容疑で逮捕されたことが1日に報じられている。アスキー創業者の西和彦氏が学園長を務めていることで知られている。
駅のホームでもお尻を触る様子を目撃
動画では、男性と女子生徒が電車の席に並んで座り、親しげな様子で話している。男性が身振りを交えて話すなか、時折、女子生徒の太ももや腕をなでたり、女子生徒の手に自身の手を重ねたりする様子が収められている。
J-CASTニュースの取材に応じた投稿者によると、これを目撃、動画を撮影したのは投稿者の妻だという。9月8日の出来事だった。
投稿者の妻は、電車に乗り込む前にも、駅のホームで男性と女性がお互いの手をマッサージし合う様子や、男性が女性のお尻をなでる様子を目撃したという。
投稿者によると、妻は女子生徒の制服のエンブレムから学校を特定。学校公式サイトを見ると、男性の顔写真と名前が紹介されていたという。投稿者は、動画と公式サイトの写真をよく見比べて、歯や耳の形状、メガネの形などから同一人物だろうと確認したうえで、学校に通報をしたという。
なお、男性の紹介ページは10月3日までに削除されている。
男性教諭の処分は「厳重注意しておきます」
翌日、学校側から動画の男性について、「我が校の教諭で間違いない。本人にも確認を取り、認めております」と連絡があった。男性教諭の処分を尋ねると、「厳重注意しておきます」との回答だったという。
「生徒にこんなことしておいて、ほかの生徒も保護者もこの事実を知らず、先生に処分といった処分も下されていない状況が許されるわけがない」と感じた投稿者は、処分の再検討を求めた。しかし学校側からは連絡がなく、2週間後に投稿者から問い合わせると、校長から
「本校にて厳正かつ適切に対処してまいります。 ただ、恐れ入りますが、個人情報保護の観点から校内の事情をお伝えすることはできかねます旨、ご理解お願いいたします」
とのメールが届いたという。
処遇が明かされない回答に、「問題となっている教諭の行動については、世間に周知させる必要がある」と感じた投稿者。SNS等に公開することを学校側に伝えたうえで、自身のXで動画を拡散した。ある新聞社にも情報提供したところ、警察に通報し事件化することをアドバイスされ、警察署にも事情を話したという。警察は「事件として捜査する」と話しているという。
Xでは、動画が拡散され大きな反響を呼ぶと同時に、投稿者への誹謗中傷も増えた。そのため、投稿は削除したという。
「懲戒処分」の内容は明らかにせず
学校側にも話を聞いた。J-CASTニュースの取材に応じた須磨学園高校の校長は、動画の男性と女性は、同校の教師と生徒であることを認めた。
男性教師の処分については、「学園の方で即座に厳正、適切に対処しておりまして、懲戒処分をしております」という。具体的な処分内容については明かされなかった。
保護者に対しては、10月1日に説明会を開き、男性教師の未成年者誘拐容疑の件と合わせて伝えたという。「今後もお伝えしなければならない内容や判明したことがあれば、その都度保護者の方にお伝えするつもりです」と話した。
男性教師が立て続けに問題を起こしている同校。男性教師の未成年者誘拐容疑については「現在事実確認中」としつつも、この状況を受け、「再発防止に努めるのは当然として、ケアをしっかりとしていかなければいけないと考えております」と話した。
具体的な対応を尋ねたところ、「学園の中で、とにかく学校を挙げて全力で取り組んでいっているという状況」との回答だった。
一方で、SNSや動画投稿に不慣れだった投稿者は当初、動画にモザイク処理をせずに公開した。すぐに削除し、女子生徒にモザイク処理をして再投稿したという。これに校長は、「非常に大きな、ゆゆしき問題だと思っています」といい、警察にも相談しているとした。