韓国メディア「オート・トリビューン」(ウェブ版)が2024年9月30日、大リーグでプレーする韓国人選手の今シーズンを総括した。
韓国出身の選手で今シーズン大きな注目を集めたのは、「韓国のイチロー」ことイ・ジョンフ外野手(26)だ。
最多セーブのコは大リーグ昇格なしでシーズン終了
元中日ドラゴンズのイ・ジョンボム氏(54)を父に持ち、韓国プロ野球(KBO)リーグでは21年(.360)、22年(.349)と、2連続で首位打者のタイトルを獲得。KBOリーグ通算7年で1181安打を記録し、「韓国のイチロー」の異名を持つ。
イは23年オフに大リーグのサンフランシスコ・ジャイアンツと6年総額1億1300万ドル(約164億円)の大型契約を結んだ。注目された1年目は、シーズン序盤の5月に左肩を負傷し戦線離脱。その後、手術を受けシーズンを棒に振った。
結局、24年シーズンは37試合の出場にとどまり、打率.262、2本塁打、8打点だった。
もうひとりの注目選手は、KBOリーグ22年シーズンの最多セーブを記録したコ・ウソク投手(26)だ。
コは24年1月にサンディエゴ・パドレスと2年契約を結んだ。リリーフとして期待されるもオープン戦で防御率10点台と結果を残せず、開幕をマイナーリーグで迎えた。
5月にマイアミ・マーリンズに移籍するも大リーグ昇格ならず。結局、1度も大リーグのマウンドに上がることなく、1年目のシーズンを終えた。地元メディアによると、コはすでに韓国に帰国しているという。
「韓国選手たちは今年概ね残念な1年を過ごした」
韓国出身の今シーズンを総括した「オート・トリビューン」は、「『メジャーリーガー苦難の1年』コ・ウソク、イ・ジョンフ、キム・ハソンともに期待以下だった」とのタイトルで記事を公開した。
記事では「米国でプレーした韓国選手たちは、今年おおむね残念な1年を過ごした」と指摘し、イやコの今シーズンの成績に言及。
そしてもう1人、大リーグ4年目のキム・ハソン内野手(パドレス、28)の成績には、落胆を隠さなかった。
キムは8月に右肩を負傷し戦線離脱した。大リーグ公式サイト「mlb.com」によると、キムは右肩の出術を受けるため、プレーオフ出場が不可能になったという。
キムは今シーズン121試合に出場し、打率.233、11本塁打、47打点だった。昨シーズンは、ユーティリティ部門でゴールドグラブ賞に輝き、今シーズンの活躍が期待されたが、不本意なシーズンに終わった。
「オート・トリビューン」は、今シーズンのキムに関して「韓国選手の中で最も大きな期待が寄せられた」とする一方で、「昨年に比べて打撃の生産性が減少し、守備はまだ健在だったが、ゴールデングラブ賞を受賞した昨年のレベルには達していなかった」と指摘した。
これまで多くの韓国出身大リーガーが誕生しており、今シーズン、大谷翔平選手(30)に破られるまで、大リーグのアジア最多本塁打記録は、テキサス・レンジャーズなどでプレーしたチュ・シンス外野手(42)が持っていた。チュは今シーズンKBOリーグでプレーし、今シーズンを最後に現役引退した。