20代転職者4人に1人「勤続1年未満」で退社 「早い離職ほど自分のキャリアにプラス」の理由/マイナビ・宮本祥太さん

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20代は他社でも採用ニーズが高く、転職に有利な年代

   J‐CASTニュースBiz編集部は、調査をまとめたマイナビのキャリアラボ研究員宮本祥太さんに話を聞いた。

――転職者の前職の勤続年数が、「1年未満」が過去最高の2割を超えたとありますが、これほど早々と現在の会社に見切りをつける傾向になったのは、ズバリ、何が理由でしょうか。

宮本祥太さん 1つ目は転職が一般化したこと、2つ目に自律的にキャリアを築く意識が広がっていることがあげられます。

総務省の労働力調査によると、2023年度に転職希望者が1000万人を超え、かつての「転職=マイナス」のイメージが薄れ、転職が当たり前の時代になっています。

それに伴い、働き方の意識も変化しています。

職業人生が長寿化し、将来求められる仕事の不確実性が高まるなかで、ひとつの組織でキャリアを完結させること自体が難しくなりました。組織に自らのキャリアをすべて委ねるのではなく、個人で自律的にキャリア形成を行おうとする意識が広がっています。

かつて「石の上にも3年」という言葉がありましたが、自分のキャリアにとってのベストを見極め、「1年未満」「3年未満」という早期で労働移動する人が多くなっていると考えられます。

――「1年未満」で転職した人は20代が突出して多いですね。もう少し今の会社でスキルを磨いてから飛び出したほうが、何かと得なのではないか、と心配になりますが。

宮本祥太さん 20代は、上の年齢層に比べ、理想とする働き方やキャリアの実現に向けて自ら行動して状況を変えようとする意識が高いことが考えられます。

また、特に20代は、終身雇用や年功序列など長期雇用を前提とする働き方の恩恵を受けづらいため、現在の仕事の裁量や処遇に対して不満を持つケースが多い。待遇の面でも30代・40代・50代に比べて給与が低く、待遇改善を転職の軸とする人が少なくありません。

それに加え、20代の採用ニーズは高く、企業側にも若手層の人材獲得に向けて待遇や評価制度を見直す動きが広がっています。こうしたことが相まって、20代にとって転職が「給与を向上させる手段」として選ばれやすくなっていると推察します。
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