「何の意味があるかよく分からない」はずだったリニア中央新幹線 石破首相、初会見で「最速37年全線開業」踏襲

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総裁選では軌道修正「JR東海のことだけを考えればいいわけではない」

   ただ、総裁選に突入した頃から、軌道修正もうかがえる。静岡新聞によると、9月19日に行われた地方新聞社の共同取材で、石破氏は

「全国的なメリットについて、(政府とJRは)多くの人の理解を得る努力が必要」

などと話したといい、財投については、次の発言を報じている。これによると、財投の活用そのものを批判したわけではないようだ。

「公共性を持つ事業である以上、JR東海のことだけを考えればいいわけではない」
「リニア開業で得られたものを(経営が厳しい)JR北海道の支援に回せないかなど、日本全体にいかなるメリットがあるのか理解を求めつつ、開業を急ぐことが大事だ」

   岸田文雄前首相は全線開業を最速で37年に実現する目標を繰り返し掲げており、この点は24年7月策定の「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)にも書き込まれている。

   石破氏の首相としての初会見では、リニアについて岸田政権の方針を踏襲するか問われ、

「私として、岸田政権が進めきた方針は踏襲していく」

と述べた。さらに、リニアの位置づけについて次のように発言。総裁選での発言に沿った内容だ。

「リニアというものが開業することによって、それが、リニアが通る地域のみならず、日本全国においてその効果が波及していくということを目指していかなければならない。それはリニアが通れば自動的にそうなるものではなく、リニアが開業することが日本全体の発展に資するものだ、ということを私どもとしてはきちんと実現していかねばならない」

   その上で、

「私もこれから先、また、いろいろ研究をいたしてまいりますが......」

と前置きした上で、リニア開業後の東海道新幹線の活用法も検討する必要があるとした。

「リニアができるということによって、さらなる経済効果が発現するために...。例えて申し上げれば、東海道新幹線には輸送余力が生ずるものだ。これをいかにして活用するかということも含めて、リニアが通る地域だけがよくなればいい......そういうことではない、そういう経済効果もきちんと見据えたリニアの早期開業というものを実現していきたい」

(J-CASTニュース編集委員 兼 副編集長 工藤博司)

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