50代女性6割が年金「月10万円未満」衝撃のデータ明らかに 20代から始める「貧困リスク」に陥らない働き方/ニッセイ基礎研究所・坊美生子さん

糖の吸収を抑える、腸の環境を整える富士フイルムのサプリ!

結婚・出産・育児を経ても、スキルアップ・キャリアアップに励んでほしい

――「おひとりさま」という言葉がブームのようになっていますが、現実は厳しいということですね。

坊美生子さん 今回の「財政検証」が明らかにしたのは、「女性は、こんなにも低年金の人が多い!」という事実です。

シングルになれば、貧困リスクに直面します。人生には「上り坂」「下り坂」、そして「まさか」があると言われますが、結婚しているから大丈夫と思っても、いつかは夫との死別がある。まさかの離婚もある。もちろん、最初から結婚しないという選択肢もある。

自分もいつかはシングルになるかもしれない。いつか大変になるかもしれない。そう思って「まさか」に備えて、女性自身の賃金アップと年金アップをはかりましょう。それが、自分の身を守る最も確かな道です。

――それでも男女格差が大きい40代以上の女性に比べ、若い女性の年金受給額は上昇するとリポートで指摘しています。若い女性に対するアドバイスをお願いします。

坊美生子さん 中高年よりも改善するとは言え、20歳女性の平均11万6000円、30歳女性の平均10万7000円という年金額は、決して高くありません。「月10万円未満」の低年金の層も、20歳女性で4割弱、30歳女性で4割強います。

男女格差も、厳然と残っています。【図表1】と【図表2】を見比べると分かりますが、「月15万円以上」もらえる人の割合も、男性の20歳と30歳では過半数に上りますが、女性の20歳と30歳では1~2割しかいません。つまり、女性では、今の20~30歳代でも、高年収で働き続ける人が少ないと試算されているのです。

学校を卒業して入社するまでは、男子も女子も同じだったのに、悔しくないですか? 男性と同じ初任給、同じ研修を受けながら、将来の年金にこれだけ違いがあるなんてショックですよね。40代、50代女性に述べたことの繰り返しになりますが、今の若い女性には、ライフステージを経ても、ずっと働き続けてスキルアップ、キャリアアップに励んでほしい。管理職にも進んで、自分自身の賃金水準と年金水準を上げてほしいです。

女性の場合、結婚、出産、育児を経ると、生活環境が大きく変化します。仕事への制約も大きくなるので、目の前のライフステージを乗り越えるのに必死で、いくつも先のライフステージである老後のことなどなかなか考えられないかもしれません。でも、女性自身の身を守るために、こういう老後保障に関する情報を、しっかり頭の片隅に入れておいてほしいです。
姉妹サイト