昭和でも「ながら新聞」はあったが、「歩き新聞」はなかった
――マナーモードにせずに電車に乗る、授業中や会議中に着信をチェックする、映画館でも発光させるなどは明らかに迷惑行為ですよ。こうした行為が2割~4割もあることについてはどう考えていますか。
調査担当者 スマホの「ながら利用」は、周囲に迷惑をかけたり、交通事故などにもつながったりする可能性があります。スマホを利用する際は、周囲の人、場所、状況に配慮し、適切に使っていただきたいです。その意識が社会全体に浸透するよう、今後も本内容に関連する調査リポートを発信し続けていきます。
――ながらスマホや迷惑行為を減らすには、具体的にどういう方法があるのでしょうか。アドバイスがありますか。
調査担当者 マナー違反となるような行動を習慣化させないためには、使用ルール(使用禁止時間帯・場所・目的・状況を決めるなど)を設け、メリハリをつけた利用を意識することが現実的でしょうか。
家族がいれば、お互いに注意し合えるので(実際は親から子供への意識付け)、徹底・定着がしやすいかと思います。
――ところで私は70代ですが、若い人と「ながらスマホ」について話すと、「昭和の時代だって、新聞や雑誌を読みながら食事をする人がいた」「今は、直接相手と目を合わせると気まずい時代だから、相手がいてもスマホをいじるのはおかしくない」という反論がきました。
「歩き新聞はなかったよ」と答えましたが(笑)、こうした意見についてはどう思いますか。
調査担当者 新聞や雑誌がスマホに代わっただけで、昔も今も同じ状況、という見方はたしかにあるかもしれません。
スマホという媒体が小さくどこでも持ち運べて、高機能化によって何でもできるようになったことが、「ながら利用」を助長させる傾向になっているのかもしれません。その点は、昔と今の違いと捉えています。
(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)