副議長事務所も異例批判、れいわはプラカードで投票妨害 大波乱の首相指名

   自民党の石破茂新総裁が2024年10月1日に召集された臨時国会で、第102代首相に指名された。石破氏はこれに先立つ9月30日に総裁として開いた記者会見で、「新政権は、できる限り早期に国民の審判を受けることが重要だと考えている。諸条件が整えば、10月27日に総選挙を行いたい」と解散・総選挙を表明した。

   首相就任前の解散宣言に、野党からの批判が続出。立憲民主党出身の海江田万里衆院副議長の事務所アカウントも「首班指名の本会議を何だと思っているのか」などと異例の批判を展開した。首相指名選挙では、プラカードを掲げて排除される議員もおり、波乱含みの新政権スタートだ。

  • 壇上で紙を掲げる、れいわ新選組の大石晃子共同代表。直後に衛視によって排除された(写真:ロイター/アフロ)
    壇上で紙を掲げる、れいわ新選組の大石晃子共同代表。直後に衛視によって排除された(写真:ロイター/アフロ)
  • 海江田万里副議長の事務所の異例の政権批判を展開した
    海江田万里副議長の事務所の異例の政権批判を展開した
  • 首相に指名された自民党の石破茂新総裁(2023年12月撮影)
    首相に指名された自民党の石破茂新総裁(2023年12月撮影)
  • 壇上で紙を掲げる、れいわ新選組の大石晃子共同代表。直後に衛視によって排除された(写真:ロイター/アフロ)
  • 海江田万里副議長の事務所の異例の政権批判を展開した
  • 首相に指名された自民党の石破茂新総裁(2023年12月撮影)

石破「不適切とは考えていない」野田「不見識極まりない」

   石破氏は9月30日、党本部での臨時総務会で人事を決定。その後に開いた記者会見で、衆院選の日程を10月27日に予定していることを明かした。首相指名前の解散宣言は異例ながら、石破氏は「異例のことだが、不適切とは考えていない」と語っていた。

   石破氏の方針には、野党からの批判が相次いでいる。

   立憲民主党の野田佳彦代表は、国会内で報道陣に対し「首相就任前であり国会軽視だ。不見識極まりない」と遺憾の意を示していた。

   海江田氏の事務所公式Xは、9月30日深夜、「本日(9月30日)午後3時過ぎの石破自民党新総裁の記者会見をテレビで見ていて驚きました」と投稿した。

   首相指名前の解散宣言について「明らかにフライングの発言で、明日の国会での首班指名の本会議を何だと思っているのかと考えざるを得ません」とつづり、「それにそもそも、総裁選では早期解散を主張する小泉進次郎代議士を諫めるかたちで、十分議論を重ねて、国民に選択肢を示してから解散すべきであると主張していたことを多くの国民が覚えています。これでは食言を重ねたこれまでの自民党総裁と何ら変わりがありません」と石破氏の主張が二転三転しているのではないかと批判した。議長と副議長は就任時に会派を離脱するのが慣例。その上で与党批判を展開するのは珍しい。

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