ブラック・アングル山藤章二さん死去 「週刊朝日」を後ろから読ませた

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

「似顔絵塾」で革命起こす

   山藤さんの最大の業績とは何か。『私の死亡記事』(文春文庫)の中で、こう記している。

「山藤の功績で最も風化しないのが、『似顔絵塾』だろう。アマチュアの中の異才を多数発掘し、それによって似顔絵の概念を大きく変えた」

   81年から『週刊朝日』誌上で開講した「山藤章二の似顔絵塾」。素人の似顔絵投稿から山藤塾長が合格作品を選ぶ。腕達者の中からプロになった人も。全国各地でしばしば塾生たちの作品展も開かれている。

「この塾は日本の似顔絵史に革命を起こした。似顔絵を『たかが』から、『されど』に変えた・・・ハガキ一枚の似顔絵に、これほどの前衛性、独創性、批判性、滑稽性があろうとは、だれも気付いてはいなかったはずだ」

   かつては「俺の絵」を探し、創り上げることに悶々としていた山藤さん。「ブラック・アングル」で「俺の絵」のスタイルを確立し、「似顔絵塾」を通して多くの弟子や後継者を生み出す。気がつくと「俺の絵」はいつのまにか「俺」を超えて、新しい流派、文化ジャンルになっていた。

1 2 3 4
姉妹サイト