新総裁誕生で「石破かよ」「日本終わった」続々トレンド入り なぜ「石破ショック」起きたのか

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   自民党の新総裁に石破茂元幹事長(67)が選ばれ、次期首相になる見通しになると、一転して円高が急速に進み、日経平均の先物取引は大幅に値下がりした。

   石破氏の地元などでは、祝福ムードも広がっているが、Xのトレンドでは、ネガティブな言葉が次々に上位に入っている。「石破ショック」とも呼ばれる現象は、なぜ起きているのだろうか。

  • 石破茂氏(2023年1月撮影)
    石破茂氏(2023年1月撮影)
  • ネガティブな言葉が並んだXのトレンド
    ネガティブな言葉が並んだXのトレンド
  • 石破茂氏(2023年1月撮影)
  • ネガティブな言葉が並んだXのトレンド

法人税増税などをほのめかし、緊縮財政の懸念広がる

   2024年9月27日に投開票された総裁選では、石破氏と高市早苗経済安全保障相(63)が決選投票に残り、この時点では、円安が進行し、日経平均株価は値上がりして4万円近い終値をつけた。

   高市氏が党員・議員票でともに最多となり、一時は「日本初の女性総理」への期待が高まってトレンド入りした。報道によると、円安・株高については、高市氏が日銀の追加利上げに否定的であることなどが原因とみられた。

   ところが、決選投票が行われ、開票結果が出ると、石破氏が僅差で総裁に選ばれ、ネット上などでは、驚く声が広がった。

   それと同時に、今度は一転して1ドル当たり3円ほども円高が進み、143円台になった。また、日経平均の先物取引も急落して、2000円ほども下がって3万7000円台になった。

   新首相誕生のご祝儀相場とは異なる状況に、識者らからは「石破ショック」とも呼ばれる事態になっている。経済の先行きなどに懸念が広がって、X上では、「石破かよ」「日本終わった」「株価暴落」といった新総裁に否定的な言葉が、トレンドにずらりと並んだ。

   こうした石破ショックが広がった背景には、石破氏が総裁選に当たって、金融所得への課税強化や法人税の増税をほのめかしたことから、景気を冷え込ませる緊縮財政になるのではないかとの憶測が流れたことがある。また、石破氏が日銀の独立性を尊重するなどとし、財政規律を重んじていることから、追加利上げに進むのではないかとの見方も出ていた。

識者「企業収益には逆風となり、株価にはマイナス」

   経済に詳しい識者からも、石破氏が打ち出している政策について、同様な懸念の声が出ている。

   テレビ東京「WBS」のコメンテーターをしている元日経記者の後藤達也さんは、自らのユーチューブチャンネルで、「ここまで株安につながる政治イベントは初めてではないか」とし、石破氏が法人税増税などを示唆していることについて、「企業収益には逆風ですから、株価にはマイナスです」と解説した。後藤さんは、石破氏が格差是正や財政健全化を打ち出していることが、急速な円高・株安につながっているのではないかと見ていた。

   旧大蔵省出身で嘉悦大学教授の高橋洋一さんは、自らのユーチューブチャンネルで、「石破さんがルールを守り、政治資金の話を前面に押し出すと、経済の方はガタガタになる」と指摘した。石破氏が金利の正常化を目指しているとし、「円高基調が続き、株価はあんまり上向かないのではないか」と述べ、12年に第2次安倍晋三内閣が成立してアベノミクスを掲げたときと真逆の流れになっているとした。ご祝儀相場がないと衆院解散が難しく、政権は短命になる可能性も挙げていた。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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