岸田文雄首相の後継を決める自民党総裁選が2024年9月27日に投開票され、石破茂元幹事長が高市早苗経済安保相を制して、新総裁に選出された。
決戦の様子が各メディアで生配信されるなか、Xでは、「高市氏支持」と報じられていた麻生太郎副総裁が石破氏のあいさつ後に「拍手」をしていなかったとの声が相次いでいる。実際はどうだったのか。
「麻生さんが全く拍手してない」?
新総裁が決まると、石破氏は拍手に包まれながら、あいさつのため登壇した。石破氏は「国民を信じ、勇気と真心を持って真実を語り、この日本国をもう一度、皆が笑顔で暮らせる安全で安心な国にするために、石破茂、全身全霊を尽くしてまいります」などと意気込みを伝え、聴衆をはじめ、壇上で着席している岸田首相ら幹部、総裁選挙管理委員らにそれぞれ一礼した。
テレビやYouTubeで生配信されるなか、あいさつ後の場面についてXでは、「当選後初めての石破氏の挨拶にも、麻生さんは拍手しないんだね」「麻生太郎拍手せず」「石破の演説に麻生さんが全く拍手してないし渋い顔してる」「拍手をしない仏頂面の麻生太郎」といった声が相次いだ。
麻生氏をめぐっては、産経新聞が26日のウェブ記事で、高市氏を支持する意向を固めたとする旨を複数の党幹部が明かしたと報じていた。記事では、麻生氏は同派議員にも1回目の投票から高市氏を支援するよう指示したとしている。
このような背景から、決選投票で石破氏が逆転を果たしたことで、麻生氏の様子が注目されたとみられる。
実は...自民党YouTubeで拍手が確認できた
実際、麻生氏は拍手をしていなかったのだろうか。石破氏があいさつした後の様子について、テレビ中継各局での映り方を確認した。
まずNHKでは、高市氏の横顔にカメラが切り替わり、麻生氏は映らなかった。
民放の日本テレビ「情報ライブ ミヤネ屋」、テレビ朝日「大下容子ワイド!スクランブル」、TBS「Nスタ」、フジテレビ「Live Newsイット!」は、いずれも似た映像だった。
最初は体の向きを変えながらお辞儀を重ねる石破氏の大写し。続けて壇上が映る構図に切り変わった時点で、会場の拍手は止んでいなかったものの、麻生氏は拍手しておらず、体の前で手を組んでいる状態だ。
しかし、自民党公式YouTubeチャンネルのライブ配信では異なる姿がみられた。石破氏があいさつを終えるとすぐ壇上が映る構図に変わり、麻生氏は周りから出遅れたタイミングで少なくとも6回は手を叩き、元の姿勢に戻っていた。Xで散見される声とは異なり、麻生氏は短い時間ながら拍手していたのだ。