約9割の学生「初任給額」が就職先応募に影響 「最低限26万円以上ほしい」急増、高望みでは?...そこには「納得の理由」あり/マイナビ・服部幸佑さん

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学生は、初任給以外の軸でもキャリアを判断ができるようになってほしい

   ――初任給アップは、どの程度、企業の負担になっているのでしょうか。

服部幸佑さん 一部では、初任給アップのしわ寄せが中間層にきている企業があるかもしれませんが、「マイナビ2025年卒企業新卒採用活動調査」(24年7月)によると、「(初任給アップによって)人件費の負担が増え、経営を圧迫した」と回答した企業は4.1%、「既存社員の給与とのバランスが崩れて、社員のモチベーションが下がった」と回答した企業は3.3%だけです。

学生が高い初任給を得たいから企業が初任給を引き上げたのではなく、世の中の流れとして賃上げ機運が高まっているタイミングであること。さらに、物価高などの経済不安によって、初任給を多めに欲しいと考える学生が増えたことが原因の1つと考えられます。

昨今は若手の人材不足で新卒採用は売り手市場となっており、企業の魅力や仕事の魅力に加えて、条件面がより魅力的でなければ学生が集まりにくい状況になっています。

――今回の調査で特に強調しておきたいことがありますか。

服部幸佑さん 学生にとって初任給の額は非常に重要な要素だと思いますが、それだけで判断すると就職後のミスマッチにつながりかねません。

これからのキャリア形成のなかで、さまざまな視点で自身のキャリアと向き合い、初任給以外の軸でも判断ができるようになってほしいです。

(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)



【プロフィール】
服部 幸佑(はっとり・こうすけ)
株式会社マイナビ キャリアリサーチラボ研究員

転職エージェントの営業を経て、物流に関する分析業務を経験したのち2024年に中途入社。現職では主にインターンシップ・就職活動準備実態に関する調査や大学生の広報活動開始前の活動調査を担当。就活生の早期キャリア形成や企業におけるインターンシップのありかたに関心が高い。

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