初任給の高さと同時に、ほかの条件とのバランスも考慮
J‐CASTニュースBiz編集部は、調査を行なったマイナビのキャリアリサーチラボ研究員服部幸佑さんに話を聞いた。
――参考までに、民間シンクタンク・出版社の産労総合研究所「賃金事情」編集部が24年4月に発表した「2024年度決定初任給調査」によると、今年4月入社者(大学卒)の平均初任給は22万6341円です。最高が23万6509円、最低が21万2639円。
それを考えると、「最低限22万円以上ほしい」という学生が多いことは理解できますが、ここ数年の学生の初任給希望状況はどう変わっていますか。
服部幸佑さん 2年前の24年卒から「仕事内容やほかの条件と比較して『初任給』の額が応募に影響するか」と「就職する際、最低限ほしいと思う初任給の額はどれぐらいか」を聞いています。
【図表1】のとおり、「初任給の額が応募に影響する」と答えた学生の割合が年々高くなっています。最低限ほしい初任給の額も、「25万円以上」と「26万円以上」がともに2倍以上に上がる結果になりました。
とはいえ、25年卒の調査では、「就職先を検討する際、初任給の金額にどの程度こだわるか」とも聞いています。すると、半数(46.8%)が「平均的な金額であれば、ほかの条件が希望通りであることを優先する」と答えました。初任給が高いこと自体は望ましいと受け止めつつ、同時にほかの条件とのバランスも考慮している様子がうかがえます。
――なるほど。必ずしも「初任給オンリー」ではないということですか。
服部幸佑さん ただ、25年卒の調査では就職活動に影響したニュースワードで「初任給アップ」が1位になっています。大幅な賃上げが話題になった年ですから、学生の自由回答によると「不景気だからこそ、少しでも給料のよい会社に行きたいという気持ちが強くなった」とありました。
企業選択のポイントとして「給料がいい」が23年卒で19.1%、24年卒で21.4%、25年卒で23.6%と3年連続で増加しています。