立憲民主党は代表選で野田佳彦元首相が代表に就任した。
野田氏は、人柄も立派でかつて民主党政権の前には「白アリ(天下り)が税金を食っているのでそれを退治しないと消費増税はできない」という立派な主張であったが、民主党政権で財務副大臣になって以降「財務省色」に染まりすっかり変わってしまった。特に酷かったのは、2011年3月11日に起きた東日本大震災の後だ。
財務省は増税「ホップ、ステップ、ジャンプ論」検討?
大震災を奇貨として、国民の中に「助けたい」という気持ちがあるのを利用し、まず復興増税で増税に慣れさせ(ポップ)、その次に「社会保障のために」という口実で消費増税を行い(ステップ)、最後には、財政問題をクリアするために大規模な消費増税を行う(ジャンプ)という、ホップ、ステップ、ジャンプ論が財務省内で密かに検討されていると筆者は聞いた。それにまんまと乗ったのが、財務大臣、総理大臣であった野田氏だ。その結果、民主党政権は悪夢で終わった。
今回、野田代表の立憲民主党は、幹事長として小川淳也氏を起用したが、同氏はかつて「消費税は最低で北欧並みの25%は必要」と発言した増税論者だ。
このような増税コンビで、財務省がしめしめと思うような野党では、政権をとろうとするのはかなり難しい。
対する自民党は、野党が増税路線ならば政治的には対応は容易のはずだ。しかし、野党に増税指向があるときには、財務省の動きに注意しなければいけない。増税をいう野党が真面目で、増税を言わない与党は無責任というレッテル貼りをしてくる。
カギは自民総裁選「高市さんでないと消費税15%は固い」
となると、自民党総裁選が俄然重要になってくる。筆者は、Xで「Z(財務省)は喜ぶなあ、これで自民が高市さんでないと消費税15%は固いな」とポストしてしまったくらいだ。「これで自民党が総裁選びを間違わなければ、総選挙で負けることはない。ただし、間違わなければね」ともポストした。
財務省も高市潰しに必死だ。高市氏が債務についてグロスで見ればG7中最悪だが資産を考慮したネットで見ればG7中2位にいいと言っているのに対し、鈴木俊一財務相は資産は売れないと反論している。
これは、古い財務省の反論であり、かつて地上波において、筆者は資産の8割以上は金融資産だから売れるが、売ると天下りができなくなるので「売らない」と言い返したことがある。
++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣官房参与、元内閣参事官、現「政策工房」会長 1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。20年から内閣官房参与(経済・財政政策担当)。21年に辞職。著書に「さらば財務省!」(講談社)、「国民はこうして騙される」(徳間書店)、「マスコミと官僚の『無知』と『悪意』」(産経新聞出版)など。
Zは喜ぶなあ、これで自民が高市さんでないと消費税15%は固いな→立民代表選【結果】野田新代表 党役員骨格人事「刷新感重要」 | NHK https://t.co/6IDP1kcxGJ
— 高橋洋一(嘉悦大) (@YoichiTakahashi) September 23, 2024