日本航空(JAL)は2024年9月25日、大型旅客機・エアバスA350型機の就航5周年を記念したイベントを羽田空港で開いた。JALは毎月25日を「ニッコーの日」として、乗客に感謝を伝えるイベントを開いていることにちなんだ。
JALでは1996年から主力の大型旅客機としてボーイング777型機が活躍してきた。この後継にあたるのがA350シリーズで、19年9月に標準型のA350-900の1号機が国内線向けに導入されたのを皮切りに交代が進んだ。
すでにJAL国内線の777は全機が引退しており、今ではA350が国内線の主力だ。搭乗ゲートでは係員が「機内で楽しく過ごしていただける飛行機」などと改めてアピールしていた。
「機外カメラからの雄大な景色をリアルタイムでご覧いただける」
JALグループでは、小型機を除くとすべて米ボーイング社製の飛行機を運航してきたが、旧日本エアシステム(JAS)が導入した機材を除けば、A350がJALにとって初めて購入するエアバス機だ。そのため、13年にJALが導入を発表した際は、驚きをもって受け止められた。
A350-900の初号機から3号機までは特別塗装を施され、機体後部に「A350」の大きなロゴをあしらった。色は初号機から順に「挑戦のレッド」「革新のシルバー」「エコのグリーン」。当初は1号機でイベントを行う予定だったが、出発が遅れることになったため、2号機に変更された。2号機は福岡行きのJL321便で、搭乗ゲートの係員が乗客を前に
「機内では全席個人モニターが設置されており、国内線で最新の映画を機内でご覧いただけるほか、機外カメラからの雄大な景色をリアルタイムでご覧いただけるなど、機内で楽しく過ごしていただける飛行機」
などとアピールした。クリアファイルなどの記念品も配られた。
300人超が乗った福岡行きを約70人で見送る
JL321は乗客乗員319人(うち幼児3人)を載せて、定刻から15分遅れの14時15分に出発。約70人のJALグループ社員が横断幕を掲げるなどして見送った。
JALのA350-900は22年4月に16号機が到着。国内線では16機体制で運用していくことにしていたが、24年1月2日に羽田空港で13号機が海保機と衝突・炎上する事故が起きたため、17号機を発注している。25年度下期にお目見えする予定だ。
A350-900よりも約7メートル長い長胴型のA350-1000も国際線向けに24年1月に就航しており、現時点で5号機までJALに納入されている。
(J-CASTニュース編集委員 兼 副編集長 工藤博司)