企業が次期総理に求める経済政策 「岸田政権下で大企業ばかり恩恵」と中小企業が怒る「後始末」こそ最重要【自民党総裁選】

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岸田政権下で「大企業が恩恵を受け、中小企業が逆に厳しくなった」理由

   J‐CASTニュースBiz編集部は、帝国データバンク情報統括部の調査担当者に話を聞いた。

――調査からは、率直に言って、大企業は中小企業対策を優先順位が低いと考えているようにうかがえますが、いかがですか。

調査担当者 大企業にとって、「中小企業向け支援策の拡充」は自社への直接的な効果が期待できないため、どうしても中小企業との差が開いてしまいます。

しかし、大企業の各項目の順位をみると5番目に高い。対応策を通じて中小企業の業績向上につながれば、大企業にもメリットが生まれると考えられる。中小企業向け対策は優先順位が低いとは断言できないと考えます。

実際、大企業からは「新しい政権には、中小企業の元気が出る施策をお願いしたい」(機械・器具卸売)といった声も複数聞かれます。

――岸田政権下で「中小企業が逆に厳しくなった」という声が上がっている理由は何でしょうか。特に批判が強かった内容を説明してください。

調査担当者 中小企業からは「賃上げ促進」に関して批判の声が聞かれました。資金余力が小さい中小企業にとっては、賃上げの実施により経営が厳しくなったほか、賃上げができず大企業との賃金格差が開き、採用面でも格差が大きくなったといった意見があがりました。

また、岸田政権時代に開始した「インボイス制度」や「電子帳簿保存法」といった制度による負担が大きいものとなった様子がうかがえました。岸田政権下で決定したものではありませんが、中小企業では人的リソースが少ない状況を考慮して、支援策を実施するべきとの意見があがっていました。

加えて、「円安」の急速な進行に対する対応策が不十分といった批判の声もありました。輸出を行う大企業では恩恵が大きい一方で、輸入品への依存度が高い中小企業にとってはマイナスの影響が大きく、価格転嫁が図れず、下請法関連対策も不十分であるといった意見が聞かれます。

ほかにも、過去最高益、株価最高値など、大企業の業績はよくなっていますが、中小企業はまだまだ厳しい環境が続いており、大企業に対する経済施策が優先されているように映る、との意見もありました。
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