阿部慎之助監督はなぜ坂本勇人を代打に起用したか? 球界OBが読み解く...采配ズバリでリーグVに大前進の決断

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   プロ野球横浜ベイスターズ、日本ハムでプレーした野球解説者の高木豊氏(65)が2024年9月23日にユーチューブを更新し、同日甲子園球場で行われた阪神対巨人戦を解説した。

  • 巨人の本拠地・東京ドーム
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坂本は前日、好機に3度凡退の「不調」

   今シーズンの直接対決最終戦となった一戦は、阪神が髙橋遥人投手(28)、巨人がフォスター・グリフィン投手(29)の先発で幕を開けた。

   リーグ優勝がかかった首位攻防戦は、両投手が好投し、6回まで両チーム無得点。試合が動いたのは7回だった。

   巨人・吉川尚輝内野手(29)、岡本和真内野手(28)の連続安打で無死1、3塁としたところでベンチが動いた。阿部慎之助監督(45)は、大城卓三選手(31)に代え、坂本勇人内野手(35)を代打に起用した。

   前日22日の阪神戦で、3度の得点機で凡退した坂本。チームは阪神投手陣から得点することができず0-1の完封負けを喫した。

   先制のチャンスに打席に立った坂本は、2ボール2ストライクからの5球目をライト前へ。これがタイムリーとなり、貴重な先制点をたたき出し、指揮官の期待に応えた。

   結局、これが決勝点となり巨人が1-0の接戦をものにした。首位・巨人は2位阪神とのゲーム差を「2」に広げ、優勝マジックを「4」とした。

   巨人にとってリーグ優勝へ大きく前進する1勝だ。高木氏は、7回の攻撃に注目し、坂本の代打起用を次のように解説した。

「坂本と阿部監督の勝負があったような気がする」

   「ここは賭けだったと思う。坂本はキャリアが長いし、百戦錬磨でこういう舞台は幾度なく経験している。昨日(22日)みたいに散々の結果に終わったことは幾度も経験している。その経験値を阿部監督が買い、『このまま坂本を大阪から帰すわけにはいかない。自分も坂本が頼りなんだ』と。これからもこういう場面では絶対坂本を頼りにするのだという、坂本と阿部監督の勝負があったような気がする。それに坂本が見事に応える」

   阿部監督の心中を代弁した高木氏は、前日得点チャンスを生かせず3度凡退した坂本の気持ちに言及した。

   「(坂本は)やっぱりたいしたもの。相当へこんでいたと思う。すごい責任を感じていたと思う。本当だったら『連勝で(東京に)帰ろう』と、みんなでもくろんでいたことが、自分の責任でダメだったということを強く受け止めていたと思う。その責任をこの打席で少し果たせた。(坂本は)大した男だと思うし、使った阿部監督も度胸が据わっているなというふうに思った。非常にいい勝負を見せてもらった」

   優勝マジックを「4」とした巨人の残りは6試合。一方、2ゲーム差の阪神は5試合を残している。

   高木氏は最終局面を迎えた優勝争いについて、「対戦成績を見ても、昨日や今日の対戦を見ても、このチームは双璧だなと感じた。数字的には巨人の方が圧倒的に有利になったが、阪神も優勝にふさわしいチーム。どっちが優勝してもおかしくないようなチームになっている」と語った。

   巨人は25日からのDeNA戦を皮切りに5連戦を控えており、阪神は27日から4連戦を予定している。

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