立憲民主党の代表選が2024年9月23日午後に開かれた臨時党大会で投開票され、決選投票の末に野田佳彦元首相(67)が新代表に選ばれた。現職の泉健太代表(50)は党内基盤の弱さが響き、立候補に必要な推薦人20人を集めるのにも苦労した。
泉氏は結果的に決選投票に残ることもできず、3位になった理由を記者から問われて12秒間も沈黙する一幕もあった。
次期衆院選目標は「自公を過半数割れに追い込む」
代表選は野田、泉両氏以外に、枝野幸男前代表(60)、吉田晴美衆院議員(52)が立候補。1回目の投票は、国会議員、公認候補予定者370ポイント、地方議員・党員・協力党員370ポイントの計740ポイントで争った。
得票は野田氏267ポイント、枝野氏206ポイント、泉氏143ポイント、吉田氏122ポイント。
過半数の得票者がいなかったため、野田氏と枝野氏による決選投票が行われた。国会議員、公認候補予定者、都道府県連の代表者が投票し、得票は野田氏232ポイント、枝野氏180ポイントで、野田氏が新代表に選ばれた。
野田氏は当選後のあいさつで、
「私は本気で政権を取りに行く覚悟」
だとして、
「総選挙は間違いなく早い段階で実施されるだろうから、その戦いの準備を今日から始めたいと思う」
などと宣言。9月24日午前には新執行部の人事を固め、午後には両院議員総会を開いて承認を求める考えを明らかにした。
党大会閉会後に開いた記者会見では、次期衆院選の目標について
「自公を過半数割れに追い込む。そのためには野党の議席を最大化するというのが現実的な戦略だと思っている」
と話した。
泉氏「両横綱に思いっきり上手投げ打たれた」「四股を踏んでやり直します」
一方の泉氏は、閉会後に報道陣から所感を問われると、次のように応じ、悔しさを隠さなかった。
「悔しくないと言えばウソになりますから。本当に悔しいし、両横綱に思いっきり上手投げを打たれたな、という感じがしましたね。まだまだ自分自身の力足らず、修行不足。四股を踏んでやり直します」
泉氏の様子が変わったのは、次の「今回、3位という結果になった理由」に関する質問だ。「まあ、やはり......」と答えようとした後に数秒経過し「そうですね......」。そのまま12秒ほど沈黙し、
「まあ、とにかく、政権交代に向かって、現職代表として、ある意味そのことばっかり力を使っていましたので...。まだまだ先輩ほど経験や実績というものを十分に抱えられていなかった、というのはありますね」
などと話した。
この選挙戦で、泉氏から「この3年間、仲間づくりをあまりしてこなかった」という発言があったとして、これは「反省点」なのか、という問いには、次のように応じた。
「今、あまりそういうことを言っても仕方ないと思います。とにかく全力を尽くして党代表としての任務をやってきたという自負はあるので、そこは何の後悔もありません」
(J-CASTニュース編集委員 兼 副編集長 工藤博司)