自民党総裁選(2024年9月27日投開票)に出馬した9候補が9月19日、東京・秋葉原で街頭演説会に臨んだ。候補者の多くは、中国・深圳で日本人学校に通う男子児童が刺されて死亡した事件に言及したが、その論じ方はさまざまだ。大半の候補が経緯の解明や再発防止を求める中、具体的な予算措置に言及する人や、現場を警備する日本の警察官と男子児童を守れなかった中国警察を対比する人もいた。
茂木氏は外務省予算に言及「3億5000万円、1人の警備員で本当に十分なのか」
中国・広東省の深圳で18日、日本人学校に通う10歳の男子児童が登校中に刃物を持った男に襲われた。在中国日本国大使館は19日、男子児童が同日未明死去したと発表。日本国内では衝撃をもって受け止められている。
19日の街頭演説会では、総裁選に立候補した加藤勝信元官房長官(68)が「心から子どもさんのご冥福とご家族へのお見舞いを申し上げたいと思います」と追悼した。
石破茂元幹事長(67)も「どんなに悲しいか、どんなに悔しいか、皆様方とともに心から哀悼の誠を捧げたいと思います。そして我々は、中国政府に対して、この問題に対してきちんとした対処を要求していかなければなりません」などと述べた。
茂木敏充幹事長(68)は、演説の冒頭でこう語った。
「深い悲しみ、強い憤りを持っています。中国政府に対して、徹底した捜査を行う。その説明をする。犯人に対して厳正な処罰を行う。二度と同じ問題を起こさない。これを徹底する。これを強く求めていきます。中国だけに任せるわけにはいかないんです。邦人の命は世界中どこであっても、日本が、政府が、守っていなくてはいけない」
茂木氏は、中国で暮らす子どもの安全のために、外務省の来年度予算に3億5000万円をつけているとし、スクールバス1台に1人の警備員をつける計画だと説明。だが、「それで十分なのか。1人の子どもの命はかけがえのないものです。3億5000万円で、1人の警備員で本当に十分なのか」などと疑問を投げかけた。