高齢女性の大切な貴金属を盗み去る 「貧しい国へ寄付」優しさ付け込み訪問「悪徳業者」の防ぎ方

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「金」の高騰と、「買い取り」ブームが要因

   J‐CASTニュースBiz編集部は調査を行なった国民生活センター相談情報部の加藤良太さんに話を聞いた。

――なぜ、急に不要品買い取りの訪問販売の相談が急増したのでしょうか。

加藤良太さん 理由は2つあると思います。

1つは国際情勢が不安定になり金の価格が上昇したことです。経済リスクが高まると、安全資産として金の値段が高くなります。2019年に1グラム4000円ほどだったのが、現在は1万円以上、つまり2.5倍以上に上がっています。

業者側にすれば、不要品の買い取りを理由に高齢者の自宅に入り、金製品を買い取りたい、あるいは盗み去りたいという動機が十分あります。

もう1つは被害者側の事情です。近年、不要品買い取りビジネスが広がり、テレビCMなどでも盛んに宣伝しています。もちろん、テレビCMで宣伝するは真っ当な業者に違いありませんが、高齢女性にとって不要品を業者に持っていくことが身近になりました。警戒する心理的なハードルが低くなっているのです。

――そこに電話がかかってくると、簡単に騙されてしまうわけですか。

加藤良太さん 業者側も女性や、高齢女性の孫のような若い男性の声を使って優しい口調で安心させます。また、「不要品を貧しい国に寄付する」とか「能登半島地震の被災者に送る」などという言い方で訪問の承諾を得ようとします。

特定商取引法では、飛び込み勧誘を禁じていますから、訪問購入を承諾させるために、話し相手になって信用させるなど、あの手この手を使います。
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