パート女性の大問題、社会保険加入拡大で「扶養枠」「年収の壁」どうなる? メリット・デメリットに応じた働き方とは

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扶養枠や年収の壁を意識している人がとても多い

   J-CASTニュースBiz編集部は、研究顧問として同調査を行い、雇用労働問題に詳しいワークスタイル研究家の川上敬太郎さんに話を聞いた。

――調査では、社会保険の適用拡大を「知っていた」が約64%。また、仕事する際の希望条件について、約23%が「今より給与を高くしたい」と答えました。この結果についてどう評価しますか。

川上敬太郎さん 社会保険加入をめぐる一部の条件変更であるにもかかわらず、6割以上の人が「知っていた」ことから、扶養枠や年収の壁を意識している人が多い主婦・主夫層の関心の高さを感じました。

仕事する際の希望条件については「影響はない」との答えが4割弱で最も多かったものの、「今より給与を高くしたい」が2割強、「今より労働時間を増やしたい」「今より労働時間を減らしたい」も1割前後あり、影響を受ける人が一定数いると感じました。

――社会保険加入をめぐる条件が拡大されることについて、働く女性の立場からメリットとデメリットをどう考えていますか。

川上敬太郎さん 収入条件などは満たしているのに、職場が条件を満たしていないので社会保険に入れなかった、という人には望ましいことだと思います。条件を満たすと厚生年金に入ることになるので、国民年金にだけ加入するより将来受けとれる年金額が増えるメリットがあります。

一方、社会保険に入りたくない人は、収入や勤務時間を調整するなどして条件を満たさないようにしなければなりません。また、社会保険に加入すると保険料の支払いが生じて手取りが減る「手取り額の崖」が発生します。生活のために少しでも収入を増やすことを最優先で考えている人にとって、いわゆる「働き損」が生じるのはデメリットです。
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