「仕事が好きでない」早期リタイア希望20~30代男性急増 「投資で稼いで好きな生き方したい」と言うが...大丈夫?(2)/パーソル総合研究所・金本麻里さん

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働く喜びを味わい、仕事で笑って幸せになってほしい

――今回の調査で特に強調しておきたいことや、若い人たちへのアドバイス、エールがありますか。

金本麻里さん 将来不安が高まり、ワークライフバランス重視の労働観が強くなり、FIREや投資ブームが起こるなど、さまざまな社会的条件が整えば、若い人が早期リタイアを望むのは自然なことです。

しかし、誤解を避けるために強調しておきたいのは、あくまで将来展望の話なので、若者たちの目の前の仕事への意欲が低下しているわけではない点です。

もっとも、20代で成長実感が停滞するような環境にいる人ほど、早期リタイアを希望しやすいのは、アンビバレンツ(相反する感情を同時に持つこと)な結果です。成長できていないのなら、稼いで早期リタイアすることがいっそう難しくなります。

まず、転職や資格の勉強なども含めて、仕事のスキルを磨いてほしい。それが自分なりのやりがい・関心を見つけ、仕事が面白い・続けたいと感じるきっかけになると思います。投資で稼ぐために経済を勉強することも、重要なスキルになると思います。

当社の「はたらく幸せ」についての研究では、仕事での成長や新しい発見・刺激が、はたらくことを通じた幸福感を最も高めることがわかっています。ぜひ、仕事での成長や刺激を感じながら、仕事で笑って幸せになってほしいと切に願っております。

(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)



【プロフィール】
金本 麻里(かねもと・まり)
パーソル総合研究所シンクタンク本部研究員

東京大学大学院総合文化研究科修了。総合コンサルティングファームに勤務後、人・組織に対する興味・関心から人事サービス提供会社に転職。適性検査やストレスチェックの開発・分析報告業務に従事。調査・研究活動を通じて、人・組織に関する社会課題解決の一翼を担いたいと考え、2020年1月より現職。

専門分野:職場のメンタルヘルス、アセスメント・サーベイ開発、障害者雇用。産業カウンセラー、日本感情心理学会所属

主なリポートに「職場の精神障害のある人へのナチュラルサポートの必要性 ~受け入れ成功職場の上司・同僚の特徴から~」「ミドル・シニア就業者の趣味の学習実態と学び直しへの活用法」「ハラスメント被害者の泣き寝入りと離職の実態」「仕事における幸福(Well-being)の状況~世界各国の『はたらいて、笑おう。』調査データから見る~」など。

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