「仕事が好きでない」早期リタイア希望20~30代男性急増 「投資で稼いで好きな生き方したい」と言うが...大丈夫?(1)/パーソル総合研究所・金本麻里さん

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年収高い人ほど、早期リタイアに自信を持っている?

   J‐CASTニュースBiz編集部は、リポートをまとめたパーソル総合研究所の金本麻里さんに話を聞いた。

――ズバリ、若い男性の3割近くが「早期リタイア」を考えるようになった背景は、何が一番大きいと考えていますか。

金本麻里さん 現時点ではどれが一番とはいえませんが、若い人の間で投資運用の関心が高まっているという調査結果が多く出ているので、FIREブームの影響は大きいと思います。

人生100年時代を迎え、2020年に「老後30年間で、約2000万円の資金が不足する」という老後2000万円問題が起こりました。老後資金に関心が集まり、コロナ禍で個人投資家が増え、2020年から若者を中心にFIREブームが始まりました。

さらに、2022年から高校でマネー教育がスタート。政府でも岸田文雄首相が「貯蓄から投資へ」とうたい、今年(2024年)から新NISAも始まっています。そのような中で、将来に不安を抱える若者がリスクヘッジもかねてFIREを目指すのは、当然の行動だと思います。

――しかし、投資の世界は甘くありません。今年8月5日には、日経平均株価の終値がブラックマンデー超えの、過去最大の下落幅を記録したばかりです。みんな本気で将来、投資や資産運用だけで生活していけると考えているのでしょうか。

金本麻里さん FIREのような生き方にあこがれるだけの、若者も多いでしょう。調査では「人生で何歳まで働きたいと思うか」という「希望」を聞いただけなので、現実的な算段があって答えたわけではない人が数多く含まれています。「人生で何歳まで働かなければいけないと思うか」と尋ねたら、また違う結果になると思います。

しかし、年収の高い人ほど早期リタイアを希望する割合が高いデータが出ています。たとえば、「50歳以下のリタイア」を望む人は、20代で年収300万円未満だと約25%ですが、500万円以上だと約36%。また、「55歳以下」を望む人は、30代で年収300万円未満だと約26%ですが、500万円以上だと約30%です。

年収が高い人には、「あこがれ」だけでなく、しっかり準備を進めている人が一定数いることがうかがえます。実際に「50歳以下でのリタイア」はかなりハードルが高いですが、それを目指して生活し、その結果、普通に生活するよりも少し早くリタイアできる人が増えていくのではないでしょうか。
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