自民党総裁選で注目集める「労働市場改革」 企業担当者は期待「自信持って積極的に押して」

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金銭解雇なら「6年働けば補償金は120万円以上に」

   一方、中小企業では大企業と異なり、解雇される社員は少なくないのが実態だ。大企業と違って出向先や配置転換先を確保できず、「追い出し部屋」を作る余裕もない。退職金がない場合も多く、泣き寝入りするしかない。

   この問題に総裁選で「金銭解雇(解雇時の金銭補償)」という論点を投げかけたのが河野太郎氏だ。5日の記者会見では「一方的に解雇された時に金銭補償するルールがあれば、次の仕事に余裕を持てる」と述べている。

   金銭解雇とは、不当解雇の争いを避けるため、会社が労働者に金銭を支払って労働契約の解消を図る制度だ。

   2016年に厚生労働省の有識者検討会が不当解雇の金銭解決の分析を行ったところ、企業が支払った解決金の平均は、月収の0.84倍に勤続年数をかけ合わせた金額になったという。

   これを仮に「金銭解雇」として制度化した場合、月給25万円、6年の勤務後にリストラされたときの補償金は126万円となる。

   中小ベンチャーでの勤務経験もあるAさんは「自分自身も含めて、働く人の視点でも労働市場改革はメリットになりうる」とし、次のように述べる。

「もともと雇用が不安定な中小企業においては、社員側のメリットは大きく、反対する理由はないと思います。一方、大企業の正社員にとっては不安要素になりますね。でも、補償金は大きくなりますし、『追い出し部屋』もなくなります。なにより、会社は正社員の雇用をしやすくなり、非正規雇用が調整弁扱いされずに済むんじゃないですかね」
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