重大局面の兵庫・斎藤元彦知事 騒動でよみがえる「号泣県議」の記憶

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   パワハラ疑惑をめぐり、兵庫県・斎藤元彦知事は兵庫県議会の全議員から辞職を迫られている。本人は続投の意思を貫いているが、2024年9月19日に開かれる議会の初日にも、不信任決議案が出される見込みだ。事態は重大局面を迎える。

   兵庫県議会といえば――今回とは全く違うが10年前にも、世の中を騒がせる出来事があった。14年7月、政務活動費の不正使用を問われた野々村竜太郎県議(当時)が釈明会見を開いた際、本人が途中から声をあげて泣き始めたのだ。同じ「舞台」で起きた騒動に、SNSではこの「号泣議員」を思い出す人がいる。

  • 9月6日の百条委員会で発言する斎藤元彦知事(画僧は兵庫県議会の配信動画から)
    9月6日の百条委員会で発言する斎藤元彦知事(画僧は兵庫県議会の配信動画から)
  • 9月6日の百条委員会で発言する斎藤元彦知事(画僧は兵庫県議会の配信動画から)

政務活動費を全額返納も在宅起訴、有罪判決

   しゃくりあげ、興奮して机をたたきながら大声を出す。野々村氏の会見はインパクト絶大で、世間の注目を浴びた。当時の映像を覚えている人は少なくないようで、Xには今回の斎藤知事の件と絡めて「そういえば...」と書き込む人がみられる。14年の出来事で、「もう10年前なのか」と懐かしむ人も。

   そもそも会見は、同氏が政務活動費を不正使用しているとの疑いを向けられたことで開かれた。14年6月30日付の神戸新聞は、13年度、同氏が兵庫県豊岡市、同佐用町、東京都、福岡市の4か所を日帰りで計195回訪問したとして、政務活動費から計約300万円を支出していたと報じた。しかも同氏の報告書には、各駅到着後にかかった交通費や、現地での活動内容を示す記載は一切なかったという。

   同氏は14年7月11日に議員辞職。11年以降に受け取った政務活動費計1834万円と遅延利息分約89万円を返納した。だが15年、詐欺容疑などで書類送検され、神戸地検が在宅起訴。16年7月、神戸地裁は懲役3年、執行猶予4年の有罪判決を下した。

   「号泣会見」以後は公の場に姿を見せていないが、たびたびメディアを賑わせてきた。15年3月、フジテレビが野々村氏に「アポなし取材」を実行。記者が同氏を追い回し、質問を浴びせる様子が報じられ、インターネット上では「やり過ぎ」との批判も起きた。

   自身の裁判の判決が出る前には、ブログを更新していた。マスコミへの批判を延々と書き連ねていたが、内容が支離滅裂だとSNS上で指摘があがっていた。

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