パワハラ疑惑で批判を浴びる、斎藤元彦・兵庫県知事。とうとう県議会所属の全議員から、辞職要求を突き付けられた。
だが斎藤知事は一貫して、要求に応じない構えだ。「県政を前に進める」ことをその理由としてきた知事だが、議会からの協力を得られない状況で、本当に県民のためを考えての行動なのだろうか。
辞職を連日否定、議会解散も選択肢
9月11日の定例会見。斎藤知事は突如、目を赤くして涙を浮かべた。「自分自身に対して悔しい思い」「本当に申し訳ないという思い」といった言葉を口にした。しかし進退については、「県民の皆様のためにやっていきたい」と、辞職の意思はないことを明らかにした。
翌12日、県議会最大会派の自民党などが、斎藤知事の辞職を求める申し入れを行った。既に辞職を要求していた日本維新の会を含め、県議86人全員から「ノー」を突き付けられた形だ。
これを受けて同日午後、知事は報道陣にコメント。「大変厳しいご指摘を頂いた。私自身もそこは真摯に受け止めなければならない」としつつも、「それでも私は知事として、県政を担わせていただきたい」と、改めて続投の意思を示した。
さらに13日。斎藤知事は報道陣に、「これまで3年間、しっかりやってきた歩みを続けたい」と、この日も辞職を否定した。
自民党は、議会初日の19日に知事の不信任決議案を出す方向だ。可決すれば、知事は10日以内に失職か議会解散を選択することになる。このことを問われると、「さまざまな選択肢を検討していく」と述べた。
戦後、知事に対する不信任案が可決したケースは4回ある。もっとも、いずれも知事は失職し、議会を解散した例はない。
斎藤知事が仮に議会解散を決断した場合、40日以内に県議選が行われる。その後、同知事に対する不信任案が再度可決すれば自動的に失職となり、知事選となる。
2度の選挙となると、莫大な費用がかかる。14日のANNニュースによると、県議選で16億円、知事選で18億円ともいわれているという。これは、税金で賄われるのだ。