「ちょっと前の信号機にはついてたコレ(傘みたいなの)、最近のには付いてないな」――。こうした疑問がXで話題となっている。「コレ(傘みたいなの)」とは、庇(ひさし)の部分を指している。
近年設置された新しい信号機に庇がついていない印象があるが、その理由は?大手信号機メーカーに話を聞いた。
LED化で「疑似点灯現象」なくなる
発端となったのは、名古屋市にある自動車学校「城北自動車学校」の公式Xの投稿だ。新旧の信号機の写真とともに、「ちょっと前の信号機にはついてたコレ(傘みたいなの)、最近のには付いてないな。。いらなくなったの?」と呼びかけた。
これにさまざまな意見が寄せられたが、実際はどうなのか。J-CASTニュースは交通信号機大手の京三製作所(横浜市鶴見区)に話を聞いた。
取材に応じた経営企画・IR部の担当者は、交通信号機は警察庁が仕様を決めており、その仕様に基づいて納品していると断ったうえで、以前の信号機に庇がついていた理由を次のように説明した。
「以前の電球式灯器はレンズ自体に赤、青、黄色の着色がなされていました。このため、レンズに西日が当たると、どの灯色が点灯しているか判別しにくくなります。本現象を防ぐため、庇がついていました」
その後、17年頃から庇なしのLED灯器が設置され始めた。「LED式灯器はLED自体が各色に発光するため、疑似点灯現象が無くなり、庇が不要となりました」と説明する。
なお、「LED式灯器は、2017年以前から設置されていましたが、この時期に庇のない灯器を警察庁が正式採用しました」という。