ネコの形をしたプリンについて、NHKの情報番組が「韓国スイーツ」と紹介したことに対し、日本の造形作家が、自らその型をデザインしたので表現がおかしいのではないか、とX上で指摘している。
このプリンは、韓国系の店が多い東京・新大久保で販売されているものだった。ネコプリンの型が日本発だとしなかったことについて、NHKの広報局は、「放送では発祥に触れていない」と取材に説明したうえで、番組公式Xの投稿で「韓国で流行中のスイーツ」と表現を改めたことを明らかにした。
「ネコプリンの型をデザインしたのは私です。正真正銘東京発」
「韓国スイーツをたくさんリポートし、人気の秘密を探る」。2024年8月22日放送の情報番組「午後LIVE ニュース―ン」では、NHKの安藤結衣アナがこんなミッションを与えられ、新大久保のスイーツ店を次々に訪問して中継した。
SNS上で人気を呼んでいる「揺れるネコ」は、必ず取り上げないといけないと評判で、その商品を扱っている地下のカフェにも入った。
「かわいい~!」「SNS映えしそう」。安藤アナは、皿を動かすと揺れるプリンに、こう感嘆する。すると、店員は、自慢げな様子で、「韓国でバズったものなんです」「韓国が好きな若者中心に、いつもご注文いただいています」と案内していた。
この放送に対し、造形作家の森井ユカさんは同じ日、「NHKニュースーン様」と番組の公式Xに呼びかけ、次のように訴えた。
「ネコプリンの型をデザインしたのは私です。正真正銘東京発でございます」
その翌日も、番組Xへリプライする形で、ネコプリンの型である「コネコカップ」は自分がデザインしたなどとして、再度注意を促した。
番組Xでは放送当日、「韓国スイーツをたくさんリポートするというミッション くまやねこなど、動物がモチーフのかわいくておいしいスイーツ ごちそうさまでした!!」などと投稿していたが、その後に投稿が削除されている。その際に、説明などはなかった模様だ。
森井さんがデザインしたコネコカップは、生活用品メーカー「アッシュコンセプト」が20年に発売した。プリンなどの型に使えるほか、オブジェとしても利用できる。その後、日本のユーザーがコネコカップを使ったプリンをSNS上で投稿して人気となり、それが韓国にも伝わって急速に広まったとみられている。