岸田政権の閣僚は「新たなイメージ」まだ不足
岸田文雄首相(67)の政権を支えた面々は、軒並み「現政権での責任」を拭えていない。
前回2021年の総裁選で岸田氏と対決した河野太郎デジタル相(61)や高市早苗経済安保相(63)。それから、参院から衆院へくら替えした林芳正官房長官(63)、元法相としても知られる上川陽子外相(71)、そして、派閥領袖でもあった茂木敏充幹事長(68)は、いまのところ新機軸を打ち出せていない。
第2次岸田改造内閣で厚労相を務めた加藤勝信元官房長官(68)も、まだ存在感が薄い。筆者はSNSとの親和性は高いと思うのだが、そのあたりは別の機会に論じたい。
ここまで9人全てに触れた。だが、「総裁選までの準備期間」に絞ってみると、一番知名度を上げたのは候補者ではなく、最終的に出馬断念した齋藤健経産相(65)に思える。
小泉氏と当選同期ながら、農水相、法相、経産相と閣僚を歴任する齋藤氏は、ABEMAやYouTubeの人気チャンネル「ReHacQ」など動画コンテンツに出演し、ときにはユーモアをまじえながら、政策を語った。
こうした動画コンテンツは、とくに若年層への認知を広げる。会見で一方的に話すよりも、MCや共演者と会話した方が、当然ながら人柄は伝わりやすい。
今回はスタートラインに立てなかったが、新政権の閣僚人事や、その次をねらう意味として、「さえない候補者」よりも、強い存在感を示したと言えるだろう。
【プロフィール】
城戸 譲(きど・ゆずる)
ネットメディア研究家 コラムニスト
1988年生まれ。2013年ジェイ・キャスト入社後、Jタウンネット編集長、J-CASTニュース副編集長などを経て、22年に独立。東京都杉並区出身で、23年の同区議選に落選。「炎上ウォッチャー」としての執筆をメインに、政治経済からエンタメまで、幅広くネットウォッチしている。