過去には筑紫哲也さんが「屠殺場」発言で問題視
日本では江戸時代までは仏教の殺生禁断の思想などから食肉がタブー視されており、食肉処理(屠殺)の仕事は被差別部落の人々が行ってきたという歴史から、現代も食肉処理に係る職業への偏見・差別が問題視されている。部落差別の撤廃を目指す部落解放同盟は、メディアの差別発言について抗議、糾弾を行ってきた。
過去の「屠殺」発言を巡っては、ニュースキャスターの筑紫哲也さんが、1989年の「News23」(TBS系)で、コロンビアの麻薬問題について話す中で麻薬の値段を吊り上げたら「ニューヨークの街も多分、屠殺場だ」などと発言。謝罪したが、厳しい糾弾があったとされる。「文藝春秋」の連載記事「部落解放同盟の研究」(22年)では、糾弾を行ったのは部落解放同盟ではなく、一部の屠場労働組合だったと伝えている。
共同通信社の「記者ハンドブック」でも、「屠殺・屠畜(場)」は「食肉処理(場)」と言い換えるよう記載されている。