漫画レーベル「B's-LOG COMICS」公式Xが、連載終盤で突如終了し、心配の声が上がっていた「漫画ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん」(ツンリゼ)について、連載終了に関する詳細を発表した。
「確認漏れや不備を重ねて原作側との信頼を損ね」
「ツンリゼ」は、恵ノ島すずさんの同名ライトノベルを原作とする漫画だ。キャラクターデザインはえいひさんで、コミカライズにあたっては作画を逆木ルミヲさんが担当した。
2024年8月30日にコミックス7巻が発売されるも、9月4日に「B's-LOG COMICS」公式Xアカウントを通じて連載終了が発表された。
11日、文書を通じて改めて連載終了と「刊行済みのコミックス7巻をもって完結となり、今後の新刊刊行予定はございません」との情報を発表し、経緯の詳細を明かした。
連載終了の決定に至った要因については「当編集部が確認漏れや不備を重ねて原作側との信頼を損ね、コミカライズ作家との間を取り持つ立場として十分な仕事ができなかった事にあり、深く反省しております」という。
具体的なトラブルについては、以下のような内容を挙げた。
・タテスクコミック版の配備における確認漏れにより、一時無許諾・無監修状態での配信を行ってしまった
・コミックス単行本及びコミックス特典制作における当編集部から原作編集部への監修依頼の漏れや不備があった
・コミカライズと原作との乖離に対して監修時にたびたび長期にわたる交渉が必要となった
・当編集部の調整力不足により逆木ルミヲ先生の筆が途絶え、連載が一時停止した
・当編集部の不備により情報解禁前のメディアミックス情報の漏えいがあったこと
「全てのネームを期日までに提出」で継続に合意→作家が体調不良に
こうした状況から、4月末に原作の恵ノ島さんから原作使用許諾契約の契約期間満了での終了の通達があった。問題を解決するため、編集部が「当編集部担当者の交代、再発防止の徹底、最終回までの全てのネームを期日までに提出」といった内容の誓約書を提出し連載継続の合意を取り付けるも、作画担当の逆木さんが「体調を崩し、条件を満たすことが難しく破談に至った」という。
連載終了にあたって、「今回のコミカライズ連載終了と原作使用許諾契約終了についてはすべて当編集部に責任があり」と責任を認めた。
作品の結末は原作版小説を通じて確認してほしいとし、「当編集部ではこのたびの件を重く受け止め、今後は読者様と作家様に対してより一層誠実に向き合う姿勢で作品作りに励んで参ります。大変申し訳ございませんでした」と謝罪した。
作画担当は「私の仕事に敬意を払ってご対応くださった」
作画担当の逆木さんも、Xを通じて説明した。
「私が誓約書通りの期限にネームを間に合わせられれば連載終了は避けられたことが悔やまれてなりません」と後悔を滲ませつつ、「とはいえ、実際の制作期間1ヶ月半ほどで単行本1冊分のネームを描くのは、ベストコンディション状態ならともかく、当時の精神状態では難しいことでした。あのとき私がもっとやれていれば、と申し訳ない気持ちでいっぱいです」としている。
編集部の対応について「コミック・原作編集部をはじめKADOKAWAの皆様は、完結まで連載を継続できるよう手を尽くしてくださいました。数ヶ月にわたり、私の仕事に敬意を払ってご対応くださったことに深く感謝しております」とつづった。
「最も尊重され守られるべきは原作者様のお心であると承知しております。私の力不足によりご期待にお応えすることができず、本当に申し訳ございませんでした」「全ては私の力不足によるものです。本当に、本当に申し訳ございませんでした」と謝罪した。
無理なスケジュールから体調を崩した作画担当の逆木さんに対し、「原作からのファンです! 原作をリスペクトして魅了を引き出す素敵なコミカライズをありがとうございました」「素晴らしいコミカライズでした。これだけはお伝えしたいです」などねぎらいの声が相次いでいる。
「ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん」連載終了のご報告とお詫びhttps://t.co/cTuuS8N4Px pic.twitter.com/X2Y2agZ6Og
— さかき (@sakakir) September 11, 2024