ペナントレースが第4コーナーを回り、手に汗握る戦いが続いている。
首位攻防戦となった2024年9月10日の巨人―広島戦(マツダ)は首位・巨人が6-1で快勝。
先発の菅野智之が5回まで1安打無失点の好投も、3点差にリードを広げた6回2死一、三塁の好機で菅野に代打・秋広優人を送る、大胆な采配を阿部慎之助監督が敢行する。
秋広が左前適時打を放ち、4点差に突き放した。優勝への執念が伝わる采配でカードの初戦を取り、2位・広島と2ゲーム差に離した。
クリーンアップが絶好調、強力打線が脅威
ただ、巨人にとって強力なライバルは広島だけではない。
脅威に感じるのが、2.5ゲーム差で追走してくる3位・阪神だ。
同日のDeNA戦(甲子園)では難敵の先発左腕・東克樹から6回までに5得点を奪い、7-2で逆転勝利を飾った。
打線が活発なのが明るい材料で、9月は8試合で計41得点。1試合平均5得点以上をたたき出している。
月間成績を見ると、3番・森下翔太が打率.364、2本塁打、8打点、4番・大山悠輔が打率.419、1本塁打、6打点と好調で、5番・佐藤輝明は打率.241、2本塁打、10打点。打率は高くないものの、勝負強さが光る。
「昨年優勝を飾った成功体験がある」
スポーツ紙デスクは
「巨人、広島、阪神の中で最も余力を感じるのが阪神です。昨日(10日)から甲子園7連戦が始まりましたが、ここで大型連勝できれば一気に勢いに乗る。今季4勝8敗と分が悪い東京ドームでの試合がないことも追い風になるでしょう。彼らには昨年優勝を飾った成功体験がある。リーグ連覇に向けて最後まで混戦にもつれ込めば、この経験値が生きてくる」
と指摘する。
9月11日現在、シーズン残り15試合で、本拠地・甲子園の試合が9試合残っている。阪神ファンの大声援を背に受けてプレーできることは大きなアドバンテージになるだろう。
今季はなかなか上昇気流に乗れない戦いぶりが続いたが、最後にひっくり返せるか。(中町顕吾)