出版不況、雑誌休刊ラッシュと苦戦のなか 業界大手KADOKAWAの売上に匹敵...社員6人の地方出版社とは

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ゾンビに追われながら、着回し術を考える超個性派の女性誌

――リポートでは、雑誌が苦境に立たされるなか、「特色のあるテーマや編集スタイルで業績を伸ばす雑誌や出版社もある」と指摘していますが、具体的にはどんな雑誌、出版社をいうのですか。

飯島大介さん たとえば、政治家や大物芸能人のスキャンダルを暴く「文春砲」の『週刊文春』や、芸能界隈に独特の存在感を放つ『フライデー』などがあります。

光文社の女性誌『CLASSY(クラッシー)』は今年(2024年)春、アラサー女子が大量発生したゾンビに追いかけられながら、毎日の洋服のコーディネートを考える......。そんな、突拍子もないストーリー設定の着回し術を誌面で展開して、SNS上で話題沸騰になりました。

毎号主人公の設定が異なり、「日本沈没の危機を知り奮闘する内閣府の特任防災アドバイザー女子」「左遷人事を契機に転職活動に奮闘する会社員女子」「雪山で事件に遭遇する推理小説家女子」など、どれも独特です。

――それは、ユニークですね(笑)。

飯島大介さん それと、兵庫県明石市にあるライツ社(大塚啓志郎社長)という小さな出版社も頑張っています。社員は6人だけ。「write」「right」「light」という「書く力で、まっすぐに、照らす」を合言葉に、ジャンルにとらわれず、自分たちが本当に面白いと思う本だけを出版しています。小回りが利かない大手にはできない、「かゆいところに手が届く」本づくりです。

たとえば、30万部を突破した『リュウジ式至高のレシピ』や、18万部に達した『認知症世界の歩き方』などヒット作を連発、重版率が7割という快進撃を続け、社員1人当たりの売上高は業界2位のKADOKAWAに匹敵するといわれています。

――いい話じゃないですか! これから雑誌や出版社が生き残るには何が一番大切だと思いますか。

飯島大介さん インターネットでも読める時代だからこそ、自分の立ち位置をハッキリと見定めて、本当に個性的な雑誌作り、本づくりをするところが読者に受け入れられて、伸びていくと信じています。

(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)

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