出版不況、雑誌休刊ラッシュと苦戦のなか 業界大手KADOKAWAの売上に匹敵...社員6人の地方出版社とは

   雑誌や本づくりの出版社が倒産ラッシュの苦境に立たされていることが、帝国データバンクが2024年9月8日に発表した「出版社」の倒産・休廃業解散動向(2024年1~8月)で明らかになった。

   その一方で、「漫画」がメインの一部の大手出版社は、我が世の春を謳歌している。

   そんな大手に負けずに頑張っている地方の出版社もある。雑誌、出版界はどこに行くのか。調査担当者に聞いた。

  • くつろいで雑誌を読む女性(写真はイメージ)
    くつろいで雑誌を読む女性(写真はイメージ)
  • (図表1)「出版社」倒産・休廃業解散件数の推移(帝国データバンク作成)
    (図表1)「出版社」倒産・休廃業解散件数の推移(帝国データバンク作成)
  • (図表2)出版社の業績は3割超が「赤字」、過去20年で最大(帝国データバンク作成)
    (図表2)出版社の業績は3割超が「赤字」、過去20年で最大(帝国データバンク作成)
  • くつろいで雑誌を読む女性(写真はイメージ)
  • (図表1)「出版社」倒産・休廃業解散件数の推移(帝国データバンク作成)
  • (図表2)出版社の業績は3割超が「赤字」、過去20年で最大(帝国データバンク作成)

『ポポロ』や『JELLY』、『声優アニメディア』が休刊

   帝国データバンクの調査によると、2024年1~8月に発生した出版社の倒産(負債1000万円以上、法的整理)と廃業は46件に達し、2024年通年では過去5年間で最多となる可能性がある【図表1】。

   2023年度の出版社の業績は「赤字」が36.2%を占め、過去20年で最大となったほか、減益を含めた「業績悪化」の出版社が6割を超えた【図表2】。

   2024年は有名雑誌の休刊・廃刊が相次いだ。月刊芸能誌『ポポロ』をはじめ、女性ファッション誌『JELLY』や、アニメ声優誌『声優アニメディア』などが休刊を発表。日本の伝統文化や芸能関係の話題を世界に紹介する国内唯一の英文月刊誌『Eye-Ai』を発刊していたリバーフィールド社が、今年4月に破産した。

   雑誌購読者の高齢化に加え、若者層では電子書籍の普及やネット専業メディアが台頭し、紙の雑誌・書籍の売り上げが1996年をピークに減少し続けていることが響いている。

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