サクラを使って、脅しあげる
――手が込んでいるのですね。しかし、副業で稼ぐはずなのに、自分から多額のお金を振り込まないといけないなんて、おかしいとは思わないのでしょうか。
小谷野さん 最初は、実際に「いいね」を押したり、スクショ(スクリーンショット)を送ったりするだけで報酬が振り込まれます。数百円の小さな額ですが、被害者のQRコードにちゃんと残高を振り込んだりして信用させてから、もっと高額の報酬が得られるタスクに誘い込む手口です。
送金額に応じて報酬はその30%などと、額が増えていく仕組みといわれると、その気になってしまう人が多くなるようです。
――しかし、事例1では4人組でチームになり、ミスをしたからと処理費用を15万円も支払わされました。本当にチームでタスクをやったのでしょうか。おかしいと思わないのが不思議です。
小谷野さん チームなんかではやってはいないはずです。しかし、同じチームのメンバーを名乗る者から「あなたのミスのおかげで、私も損害をこうむった」とか「私も以前ミスを犯した時は、ちゃんと処理費を支払った」などいうメールがきたりします。
サクラであることは間違いありませんが、プレッシャーを感じて支払ってしまうケースが多いようです。
――本当に悪らつな手口ですね。こういう詐欺に遭わないようにするには何が一番大切でしょうか。
小谷野さん 世の中に簡単にもうかることなどありません。「『いいね』を押すだけ」「コピペするだけ」「スクショを撮るだけ」「動画を見るだけ」で、「簡単に稼げる」「もうかる」ことを強調する広告は、詐欺の可能性が高いです。絶対に鵜呑みしてはいけません。
また、相手から住所や氏名、銀行口座などの情報の開示を求められる場合があります。悪用される可能性がありますから、相手がだれかよくわからない場合は、個人情報の提供はやめましょう。
高額報酬を得るためと称して、お金の振り込みを求められるケースが目立ちます。これはもう詐欺ですから、お金は戻ってきません。最寄りの消費生活センター、ホットライン「188」(いやや!)に相談してください。
(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)