福岡市を拠点に活動するアイドルグループ、HKT48が新曲「僕はやっと君を心配できる」を2024年9月11日に発売する。「普遍的なテーマをグループの今と重ね合わせ」た楽曲だという。グループは2021年の結成10年を機に人気メンバーの卒業が相次ぎ、23年の本村碧唯さん(27)を最後に、初期メンバーが全員卒業。世代交代が進んでいる。
今作は、前作「バケツを被(かぶ)れ!」(23年)に続いて、5期生の「いぶくる」こと石橋颯(いぶき)さん(19)と竹本くるみさん(20)によるダブルセンターだ。センターポジションは楽曲ごとに代わることも多く、HKT48でダブルセンターが続投するのは約10年ぶり。2人は前作の経験で自信がついたといい、「私たちが支えよう」(石橋さん)、「胸を張って立てている」(竹本さん)と意気込む。竹本さんは、歌詞になぞらえて「壁を打ち破って、色々な視点から自分たちを見ることによって成長していけたら」と話した。センターの2人と松岡はなさん(24)、江浦優香さん(13)、龍頭綺音(りゅうとう・あやね)さん(14)の5人に、2回に分けて作品やグループへの思いを聞いた。(聞き手・構成:J-CASTニュース編集委員 兼 副編集長 工藤博司)
聞く人によって考え方が違うのも聞きどころ
―― 新曲のタイトルは「僕はやっと君を心配できる」。非常に含意があって、色々な想像が働きますね。発表資料によると「普遍的なテーマをグループの今と重ね合わせ、強い意志で新たな未来を謳(うた)う決意表明ソング」です。どのように読み解けばいいでしょうか。「僕」はファン、「君」はグループのことでしょうか。あるいは、その逆でしょうか。どんな思いでレコーディングに臨みましたか。
石橋: 聞く人によって、多分捉え方は違うと思います。聞く人によっては「僕」をファンの方自身に例えたり、逆に私達アイドルが「僕」の立場だったりとか......。聞く人によって考え方が違うのも、聞きどころだと思います。
竹本: 前作「バケツを被れ!」は、自分の身を守っていこう、傷ついた心を守っていこう、それで頑張っていこう、という感じでした。それに対して今作は、「自分たちが守られていたって 誰かの悲しみは感じられやしない」とか、自分だけではなく、他人の心配もできたりする心の余裕も見えてきたと感じています。加えて、私が(今の)HKT48(の状況)に合っていると思ったのが、
「僕らには何もないけど あり余るくらい時間があるんだ 何回だって立ち上がれ! ホントの愛を見つけるまで」
という部分です。先輩方が卒業されて、これからどうなっていくのかな、と不安を感じている中でも、何か壁を打ち破って、いろいろな視点から自分たちを見ることによって成長していけたらいいな、という気持ちを込めて歌いました。
松岡: 今回は、ひとりで歌う「一声」の部分が(石橋さん、竹本さんの)2人にあります。HKT48ではみんなで歌うことが多く、ひとりで歌うことはあまりないので、すごくいいと思いましたね。推しの声が分かるというのは、すごく嬉しいことだと思います。2人の声も全然違うんですよね。
―― 終盤の「編集されたニュースのように」(竹本さん)、「そこにあるのが真実じゃない」(石橋さん)のあたり、お二人の声が際立ちますね。この取材の会話も「編集されたニュース」として世の中に出ていくわけですが、皆さんの思いは、しっかりと伝わるようにします(笑)。 さて、ミュージックビデオ(MV)撮影は、つい最近だったそうですね。振り入れ(振り付けを覚える作業)は大変でしたか。
松岡: 大変ではありませんでしたが、「バケツ」よりは難しい振り付けになっているので、みんなの気持ちがいつもより一つになったといいますか、見応えがあると思います。