300円を中心価格とした雑貨チェーン「3COINS」(スリーコインズ)について、従業員の名札が匿名化されているとの情報が2024年9月上旬にXで拡散され、「素晴らしい取り組み」などと注目を集めている。運営会社に経緯や狙いを聞いた。
「以前は苗字」→「スタッフ」表記に
スリーコインズをめぐっては、名札表記が個人名ではなく「スタッフ」になっていたとの情報がXで拡散し、「社員を守るための素晴らしい取り組みだと思います」「不特定多数のお客に実名晒すのってかなりリスクありますもんね 素敵です」「会社の好感度が上がる」などと賞賛の声が広がっている。
話題の取り組みについて、スリーコインズを運営するパル(大阪市)の広報は6日、「事実です。(尚、ディベロッパー規則により異なる場合がございます)」とJ-CASTニュースの取材に答えた。導入経緯については、
「以前は苗字の表記でしたが、『企業として従業員を守る対応』として他ブランドも含めた会社全体での取り組みとして導入しております。(ブランドにより異なります)」
と説明した上で、「SNSからの個人情報特定防止、店頭での名指しの過度な意見・申し出等からスタッフの安全を守るため」とした。
「このようなお声をいただき大変ありがたく」
パル広報は、Xの反響を下記のように受け止めている。
「ブランドの取り組みに対してこのようなお声をいただき大変ありがたく思っております。スタッフの働く環境を守り、お客様にもより安心してお買い物を楽しんでいただけるよう取り組んでまいりますので、今後ともご愛顧いただけますと幸いです」
これまで接客を必要とする業界などにおいては、個人名の記された名札を従業員に身に着けさせる企業も少なくなかった。親しみやすさを感じさせるといった好影響をもたらしうる一方、顧客の悪質な嫌がらせや迷惑行為「カスタマーハラスメント」(カスハラ)の問題に繋がることもしばしばだ。
近年ではプライバシー配慮の意識が高まっており、フルネームの表示を避ける動きが広がっている。例えば国土交通省は23年8月1日、バス・タクシー内における「乗務員等の氏名の掲示」義務を廃止している。