高校卒業程度認定試験(高認)の結果を報告していた元不登校YouTuberで「青年革命家」のゆたぼんさんに、高認を受験した人らからのエールが続々と届いている。
「確かに勉強できる人にとっては簡単かもしれませんが、それ言う必要ありますか?」
小学3年生からYouTuberとして活動し、「不登校は不幸じゃない」との主張で、賛否両論を集めていたゆたぼんさん。中学校進学後は通学を再開し、4月からは通信制高校に通いながら高認に挑戦していた。
2024年9月2日に公開した動画では、高認の試験結果を報告。受験した「公共」「国語」「英語」「数学」「科学と人間生活」「地理」「歴史」「生物基礎」の8科目のうち、7科目が合格できていたと伝えた。
高認の結果発表には、祝福の声のほか心無い声も寄せられたといい、Xを通じて「『高卒認定なんてアホでも受かる』って言ってる人達。確かに勉強できる人にとっては簡単かもしれませんが、それ言う必要ありますか?」と反論。動画でも同様の主張を行った。
また4日の動画では、「『簡単や』って言うのは一番簡単やし、わざわざ高卒認定試験をバカにするのって、ほんとどうなんかなと思うんですよね。そういう人たちって人を下げることでしか、自分を上にあげることができないんやろうなと思うんですよね」と主張した。
こうした中、ゆたぼんさんのXには、高認試験を受けたことのある人々や、教育に関わる人々からの応援の声が相次いでいる。
高卒資格で「留学もできるしアルバイトの幅まで広がります」
いじめ問題や管理教育問題に関する研究で知られる社会学者で明治大学文学部准教授の内藤朝雄氏は、ゆたぼんさんの投稿を引用し「私も高認の前身である大学入学資格検定を受けました。体育以外、全部一発で合格しました。現在は体育はありません」と明かし、「全体主義を採用し、市民的な個人の生活を破壊する、人権侵害の塊のような学校に無理してつきあわなくても、大学に進学する道は開けています」とつづった。
続けて「戦後日本を代表する哲学者の廣松渉大先生も高校中退で大検出身だった。こんなすごい方が。大学の教員で大検出身をちょこちょこお目にする」と同じような経歴を持つ著名人が多くいるとした。
東京大学医学部医学科を卒業後、臨床医を経て数学者に転身した経歴を持つ早水桃子氏は、「私も高認の前身である大学入学資格検定を経た一人です」と反応した。
「大検や高認は進路の通過点なので幅広い学力の人が受けますが、文部科学省は全ての人の学びを応援しています。高卒資格を取れば大学や専門学校に行けるし留学もできるしアルバイトの幅まで広がります。高認の皆さん自分らしく頑張ってください」とゆたぼんさんをはじめ、同様の経験を持つ人々にエールを送った。
「ゆたぼんにすっごい親近感湧いてる」
ベストセラー『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』(通称ビリギャル)で知られる坪田塾の塾長、坪田信貴氏は「本人なりに一歩一歩自分の道を歩むって素晴らしいことだと思う。人生ってそれの繰り返しで仲間が増えて豊かになる」とした。
神奈川県平塚市で学習塾やフリースクールなどを運営する安村俊毅氏は「僕は高一の四月に入ってすぐに高校を辞め、五月に高認の前身の大検を申し込み一発取りをして大学・大学院に行きました。受かった時の爽快感は今でも忘れられません」と過去を振り返った。
高校を辞めてできた時間で多くの経験をしたことが糧になったとつづり、「この時期に16歳だった僕自身に言いたい事は、そのまま突っ走れ! ですね」とした。
脳科学者の茂木健一郎氏は、ゆたぼんさんの主張に「まったくその通り!」と反応。
「ゆたぼんのこのポストに救われてる人、いっぱいいるよね 私も高認受ける時準備しても心配だったなぁ...」「私も高卒認定試験受けるからゆたぼんにすっごい親近感湧いてる」など、励まされたとする声も目立つ。