ネリもチームも大逆転は確実だと思った
1位は、24年5月に行われたルイス・ネリ(メキシコ)戦。
スーパーバンタム級4団体王座防衛戦として行われた1戦は、初回に井上がダウンを喫する展開に。プロ入り後初のダウンにもかかわらず、冷静さを失わず、2回と5回にそれぞれダウンを奪い、6回TKO勝利。東京ドームでプロボクシングの試合が行われるのは1990年2月11日に行われたマイク・タイソン対ジェームス・ダグラス戦以来34年ぶりで、日本ボクシング史に残るビッグマッチだった。
ネリ戦の寸評は以下の通り。
「東京ドームでの試合は1990年にバスター・ダグラスがマイク・タイソンを逆転して以来のことで、またもや衝撃が起こるかと思われた。第1ラウンド、ネリが強烈な左フックで井上をキャリア初のKOしたとき、ネリもチームも大逆転は確実だと思った。しかし、現実はそこから始まった。日本のスターは、すぐに「モンスター」モードを発動させたのだ。ネリは2回と5回に一度ずつダウンし、6ラウンドには壊滅的なパンチのコンビネーションでノックアウトされた」
スーパーバンタム級でも圧倒的なパンチ力で挑戦者を寄せ付けないモンスター。次戦は、12月にIBF・WBO世界スーパーバンタム級1位サム・グッドマン(オーストラリア)との防衛戦が予定されている。