「井上の追撃によりレフェリーは試合を止めざるを得なかった」
4位は、ノニト・ドネア(フィリピン)との第2戦目。19年11月の初戦は判定までもつれ、井上が3-0の判定で勝利した。両者は22年6月に再び拳を交え、井上が2回TKOで勝利した。
3位は、ファン・カルロス・パヤノ(ドミニカ)戦。WBSS1回戦として行われ、元王者を1回1分10秒で仕留めた。わずか70秒のKO劇は、世界中のボクシング関係者から称賛され、改めて強打が注目された1戦だった。
2位は、スーパーバンタム級転向初戦となったスティーブン・フルトン(米国)との1戦だ。
バンタム級4団体の王座を返上した井上は、WBC・WBO世界スーパーバンタム級王者フルトンに挑戦。初めてのスーパーバンタム級での試合に、大きな注目が集まったが、井上はパワーでフルトンを圧倒し、8回TKOで勝利。いきなり2本のベルトを手にした。
「The Sporting News」は、フルトン戦に関して、次のような寸評を付けた。
「当時チャンピオンだったフルトンは井上をアウトボクシングで打ち負かすだけの実力とノウハウを持っていると大いに噂された。だが、フルトンはできなかった。井上はこの試合で見事なボクシングを見せた。試合が進むにつれて情報を集めながら、相手にジャブを上下に打ち込んだ。試合は8回に終わりを迎えた。井上がボディへのジャブに続いて顎に強烈な右パンチを放ったのだ。フルトンは一瞬地面に着地したが、立ち上がったところで強烈な左フックを食らって倒れた。井上の追撃により、レフェリーは試合を止めざるを得なかった」