プロ野球広島の元助っ人で、韓国プロ野球リーグ(KBO)のNCダイノスに所属するマット・デビッドソン内野手(33)が、本塁打王争いで独走している。
デビッドソンは、2024年9月4日にソウルの蚕室野球場で行われたキウム・ヒーローズ戦で41号をマーク。本塁打王争いで2位につけるキム・ドヨン(KIAタイガース)との差を6本に広げた。
今シーズン、打率.296、41本塁打、104打点をマーク
デビッドソンは大リーグ、シカゴ・ホワイトソックス時代の17年に26本塁打、18年には20本塁打を記録する活躍を見せた。その後、マイナーリーグと大リーグを行き来するなど、低迷が続いた。
22年オフにオークランド・アスレチックスから、NPBの広島に移籍。23年シーズンは、19本塁打、44打点を記録する一方で、打率が.210と振るわなかった。23年オフに広島を退団し、NCダイノスに入団した。
韓国1年目の今シーズンは、4日時点で打率.296、41本塁打、104打点をマーク。出塁率と長打率を合わせたOPSは、0.987と高い数字を維持している。
広島をわずか1年で退団したデビッドソンは、なぜ韓国で成功しているのか。地元メディア「Daily sports Korea」(ウェブ版)は、成功の要因を独自に分析した。
「アメリカ時代から指摘された弱点を克服」
記事では「NCに加入したデビッドソンは、KBOの歴史全体を見渡しても屈指の長打力を持ち、注目を集めた。大リーグ時代、デビッドソンは平均打球速度が大リーグの上位27%に入り、打球最高速度は飛ばす選手が多い大リーグでも上位100人以内に入った」と解説した。
そして、フルスイングゆえの欠点を指摘し、それを韓国で克服したとした。
「デビッドソンはバットを積極的に振り、フルスイングばかりしているため、空振りが多い。当然、四球は減り、三振は増える一方だった。アメリカ時代から指摘された弱点だった。しかし、デビッドソンはこれを克服した。空振りの割合はリーグトップクラスだが、少なくともストライクゾーン内に入ってくるボールは見逃さなかった。実際にゾーン内に入ってくるボールにコンタクトする実力は、リーグ上位10%に入る」
記事によると、デビッドソンの平均打球速度は時速146kmで、200打席以上打席に立った全選手の中で2位に相当するという。また、韓国リーグでシーズン40本塁打を記録したのは、20年のメル・ロハス・ジュニア(KTウィズ)以来4年ぶり。