「体重増は全体的なパフォーマンスに影響する」
「『いつもこの体重で試合をしているから』ということがあるにしても、間違いなく重すぎる。37歳という年齢もあるし、内臓にも大きな負担がかかる。スピードが落ちるというより、全体的なパフォーマンスに影響する。そう考えるのが普通だと思います」
そして、指導者としての自らの経験から、試合当日の体重について持論を展開した。
「前日計量を終えてから体重を増やす範囲は選手それぞれだが、だいたいの選手はどれくらい増えたかを認知している。計量後に体重が増えるのは、だいたいが水分だと思います。水分をそれだけとって、いいパフォーマンスができるかといえばできない。分かりやすくに言えば、11キロの重りを背負って動くわけですから。しかも1日でそれだけ増えている。『いつもやっている通り』と言うかもしれないが、対戦相手も違うし、場所も場面も違う。前の試合でいいパフォーマンスができたとしても、それはちょっと違う」
複数のメディアによると、ドヘニーは過去に前日計量から体重を12キロ増やして試合に臨んだことがあるという。
金平会長は、急激な体重増が敗因だと指摘し、試合を次のように振り返った。
「ドヘニー選手が攻め込もうとしたところに井上選手のボディーが入った。ドヘニー選手は腰痛と主張しているようですが、ボディーが効いたと思います。急に動きが落ちましたから。ボディーが良い角度で入った。井上選手のボディーは強烈ですが、体重が11キロ増えたことを考えると、余計に効いたように見えてしまうし、実際効いたと思います」
プロ初のTKO負けを喫したドヘニーの通算成績は、26勝(20KO)5敗となった。