白星が遠い。西武・高橋光成が2024年9月3日のオリックス戦(ほっともっと神戸)で、6回2/3を8安打3失点の粘投も報われず、球団ワーストの開幕から11連敗を喫した。
21年から3年連続2ケタ勝利も...今季は絶不調
打線の援護に恵まれなかったが、勝負所で踏ん張れない姿が今年の高橋を象徴していた。
1点リードの4回に西川龍馬に逆転の右越え2ランを浴びると、同点に追いついた6回は紅林弘太郎に左前適時打で再び勝ち越しを許した。
7回も続投したが1死一、三塁のピンチを招き、西川を迎えたところで降板。開幕から14試合登板目でも初勝利はならず、60年の大津守(近鉄)以来64年ぶり4人目の11連敗で、パ・リーグワーストタイ記録となった。
チームも52年ぶり4度目の今季80敗目を喫した。
21年から3年連続2ケタ勝利をマークし、昨年は10勝8敗、防御率2.21の好成績で4完投はリーグ最多。エースとして稼働していた右腕はメジャーでのプレーを希望していたが、今季の絶不調で株が落ちたことは避けられない。
「フォームのメカニズムを修正すれば復活できる」
だが、米国の球界関係者は
「今年の彼だけを見ているわけではない。実績がある投手だし、パフォーマンスが落ちた理由を探り、フォームのメカニズムを修正すれば復活できる。メジャーは先発陣のコマ不足に悩む球団が多い。好条件を勝ち取るのは厳しいかもしれないが、メジャー契約はできると思う」
と評価する。
最下位に低迷する責任を強く感じている一方で、27歳という年齢を考えると、限りある選手寿命で脂の乗り切る時期に米国でプレーしたい気持ちが強いかもしれない。
チーム再建に向けて核になる選手だけに、オフの動向が注目される。(中町顕吾)