プロ野球選手のプレーを撮った写真や動画のSNS投稿が禁止されるなどしたことについて、その是非を巡ってネット上で議論になっている。
投稿禁止は、選手への誹謗中傷が目立つとされることから、その対策ではないかとする見方も出ている。しかし、テレビでは見られない好プレーも楽しめなくなる、などといった不満も多いようだ。
選手やチアリーダー、他の観客の身体の一部を撮ることも禁止
投稿禁止などは、日本野球機構(NPB)が2024年9月2日、公式サイトで告知した。
それによると、NPBでは、「試合観戦契約約款」の一部を改定し、新たに「写真・動画等の撮影及び配信・送信規程」を導入した。この規程では、「プロ野球の普及発展と球場観戦の価値向上を図る」ことなどを目的とし、SNS投稿などのルールを設けている。
具体的には、試合中に三脚やパソコンを使ったり、 客席でカメラを掲げて観戦を妨げたりすることなどを禁止行為とした。また、選手や応援のチアリーダー、他の観客などに対し、その身体の一部を拡大・強調して撮影したり、身元が分かるIDなどを撮影したりする行為も禁じた。
SNS投稿についても、禁止行為を挙げており、プレー中の選手を撮影した写真・動画のほか、選手以外を撮影した動画でも140秒を超えるものを対象にした。140秒以下の動画でも、試合中の投稿は禁止した。ただ、選手の動画などでも、プライベートで家族、友人、取引先に提供することは認めている。
こうした規程は、25年2月1日からプロ野球の全試合で適用され、導入に当たって、「ファンの皆さまのご理解とご協力をよろしくお願いいたします」と呼びかけた。禁止行為に違反すれば、退場や入場拒否などの処分が行われることがあるとしている。
NPBがこの規程を導入した背景については、ネット上で様々な憶測が流れている。
「誹謗中傷の原因になってるだろうし仕方ないのかな」
まず、最近、選手へのSNS上のバッシングが酷くなっているとされることから、プレー中の投稿禁止はそれを防ぐためではないかという指摘があった。NPBの公式サイトでは、「SNS等への投稿についてのお願い」と題した23年3月29日のお知らせがトップページで強調されており、誹謗中傷などを拡散せず、投稿のマナーを守ることを呼びかけている。
また、ビールの売り子などを勝手に撮った写真や動画がSNS上に投稿されて、拡散する騒ぎも起きていることから、身体の一部を拡大・強調して撮影したりする行為を禁じたのではないかとみる向きもあった。
プレー中の選手を撮った写真や動画のSNS投稿が禁止されることについては、様々な意見が出て議論になっている。
疑問を投げかける声は多く、「目立たないところでのいいプレーが見えなくなる」「楽しみが減りますね、これは」「ファン離れにならないか」といった書き込みが相次いだ。また、どんな行為がダメなのかNPBから具体的な説明がないため、「これから試合中の撮影できないの?」といった誤解も広がっており、「よく分からないことが多すぎる」「分かりやすく書いて欲しい」といった注文も出ていた。
もっとも、「誹謗中傷の原因になってるだろうし仕方ないのかな...」「規制しなければならないとこまで来ている」「今回の様に対策は徹底して行なった方が良い」などとNPBの取り組みに理解を示す声もあった。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)
日本プロフェッショナル野球組織、セ・パ両連盟と12球団は、「試合観戦契約約款」を一部改定し、新たな下部規程として「写真・動画等の撮影及び配信・送信規程」を施行します。2025年2月1日から全試合に適用。ファンの皆さまのご理解とご協力をよろしくお願いいたしますhttps://t.co/sf8vWZjGgc#NPB
— 日本野球機構(NPB) (@npb) September 2, 2024