ひょんなタイミングで別の個性を持つ人材が輝くこともある
――職場のハイパフォーマーを見極めるには、具体的にどうすればよいですか。
個人の仕事に対する意識調査や、上司の評価の活用などが書かれていますが、それでは通常の人事評価の高い人物がハイパフォーマーということになり、会社をブレークスルーする傑出した存在の発見にはつながらないと思いますが。
担当者 すでにハイパフォーマー(社内で優れた結果を出している人材)が社内にいて、同じような人を増やしたい場合には、仕事に対する意識調査の結果と自社のハイパフォーマーを比較分析し、特徴を見出していくことが有効です。
逆にブレークスルーを狙う場合には、たしかに現状の評価を度外視した大胆な登用も必要かもしれません。ただ、自社で活躍している人物の傾向をあらかじめ把握したうえで、新たな素養も持ちあわせた人材を探すのと、闇雲に探すのとでは前者のほうがよりよい人材に巡り合えるともいます。
――いずれにしろ、「自社のハイパフォーマー像」を確立しておこうということですね。ハイパフォーマーについて、特に強調しておきたいことがありますか。
担当者 ハイパフォーマー分析は、分析によりハイパフォーマーの傾向を把握することで、ハイパフォーマーになる素養を秘めている社員を発掘したり、採用の時点で素養のありそうな人材を見極めたり、会社を成長させていくのに役立つ手法です。
ただし、あくまで現時点での「傾向」であり、これに当てはまらなければ活躍の見込みがないということではありません。変化が激しい時代ですから、ひょんなタイミングで別の特徴を持つ人材が輝くこともあります。
最近で言うと、AI人材のニーズが急上昇しています。こうした点も考慮して、定期的に今の自社にとってのハイパフォーマーはどんな人材なのかを見直していく必要があると思います。
(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)