米ボクシング専門メディア「ボクシングシーン」(ウェブ版)が2024年8月30日、井上尚弥(大橋、31)の特集記事を公開し、9月3日に東京・有明アリーナで行われるスーパーバンタム級4団体王座防衛戦の展望を占った。
18年8月に岩佐からIBF王座奪取
今回の挑戦者は、元IBF世界スーパーバンタム級王者テレンス・ジョン・ドヘニー(アイルランド、37)だ。
豊富なアマチュア経験を誇り、オーストラリアでプロに転向したドヘニー。18年8月にIBF世界スーパーバンタム級王者・岩佐亮佑(セレス)に挑戦し、判定勝ちを収め王座を獲得した。
19年4月にWBA世界スーパーバンタム級王者ダニエル・ローマン(米国)と2団体王座統一戦を行い判定負け。王座陥落後は5勝3敗の成績だが、ここ3試合は連続TKO勝利を収めている。
27戦全勝(24KO)の絶対王者・井上は、今試合が2度目の4団体王座防衛戦となる。
前回は5月に東京ドームで、元世界2階級制覇のルイス・ネリ(メキシコ、29)と対戦し、6回TKOで王座防衛に成功した。
現在、世界で注目されるボクサーのひとりとなった井上。海外メディは挑戦者ドヘニーをどのように評価しているのだろうか。
米ボクシング専門メディア「ボクシングシーン」(ウェブ版)は、ドヘニーの「挑戦」に懐疑的な見解を示した。
「大半の人たちは井上が圧倒的な勝利を収めると予想」
同メディアの記事では「大方の見方では、井上には必要のない試合であり、誰も見る必要のない試合だということだ。また、37歳のドヘニーには勝つ資格も勝算もない試合だとも言われている」と、ドヘニーの実力を分析し、こう続けた。
「この試合は21年12月にアラン・ディパエン(タイ)と対戦し、8回にストップして以来、井上にとって最も物足りない試合だと言える。その1年後にポール・バトラー(英国)を圧倒した試合でさえ、WBOバンタム級王座獲得という魅力があった。同じことは9月3日のドヘニーには言えない。この試合の結果はすでにわかっているというのが、大方の見方である」
英ボクシング専門誌「ボクシングニュース」(ウェブ版)は、「井上尚弥は9月3日に有明アリーナで試合を行うが、対戦相手が『かませ犬』だというのは控えめな表現だろう」と辛らつに評し、次のように解説した。
「大半の人たちは井上が圧倒的な勝利を収めると予想している。何が起きてもおかしくないボクシングの試合においてさえ、ドヘニーが番狂わせを起こす可能性を予想している格闘技ファンは少ない」
防衛戦の前日計量が2日に横浜市内のホテルで行われ、王者・井上はリミットいっぱいの55.3キロ。挑戦者ドヘニーは200グラム軽い55.1キロで一発パスした。