災害に強い日本を!安否確認の「一斉訓練」を文化にしたい トヨクモ代表取締役社長・山本裕次さん×危機管理アドバイザー・野村功次郎さん

提供:トヨクモ株式会社

日本企業の事業継続力を高め、災害に強い国へとする手助けを

山本裕次さんと野村功次郎さん
山本裕次さんと野村功次郎さん

   ――それは、BCP(事業継続計画)の策定にも通じる考え方です。しかし、策定がなかなか進まない事情もあります。

野村さん BCPという言葉で難しい概念ととらえられ、しかも努力義務的なものになっているから、入りづらい面があるのかもしれません。策定に際しては、たとえば自然災害に共通する事項でとらえ、対策を考えておくといいでしょう。

   ――そのほうがシンプルで、運用もスムーズにいきそうです。

野村さん また、経営資源で重要な要素は「人」「モノ」「金」「情報」と言われますが、防災の観点でも同様です。ひとたび災害が起これば、従業員(人)は出社できない。それにより、設備(モノ)も動かせなくなる。しかし、まずは安否確認によって情報を集めることで、会社機能の復旧のタイミングをつかめるようになるのです。
山本さん BCPの普及について言えば、内閣府によると(24年6月発表)、2023年度のBCP策定率は、上場企業は62%、非上場企業(主に中小企業)は48%と、対策できていない企業は少なくない状況です。ただ、自然災害などにより事業継続に影響を受けた企業のうち、BCP対策の中で最も効果があったものとして、大企業の57.5%が「安否確認システム」を挙げていました。
野村さん 納得できる結果ですね。災害時、なによりも優先されるのは人命であり、従業員の安全。従業員とその家族の安否確認が自動化されているシステムの優先度は高く、BCP策定でも最重要の項目です。
山本さん だからこそ、「安否確認サービス2」によって正しい初動対応ができれば、企業活動における災害の影響を最小限に抑えられると信じています。
それだけに、安否確認システムを提供する各企業と一緒になって、「一斉訓練」ができるといいなと私は思います。私たちの考えに共感してくださった賛同企業は現在50社を数えます(24年8月現在)。なお、実際に能登半島地震で役立てられた事例もありました(下の事例参照)。
「安否確認サービス2」導入企業の事例
「安否確認サービス2」導入企業の事例

   ――「一斉訓練」がもっと広まると、どんな未来が描けそうでしょうか。

山本さん 安否確認システムを提供する事業者や通信事業者といった企業も巻き込んで、「一斉訓練」ができれば、ボトルネックとなる部分がより見えてくるでしょう。それがわかれば、災害に備えた復旧プランをあらかじめ関係各社で対策を考えることができると思います。

   ――そうしたら、災害に強い国になりますね。

山本さん まさにそうです。みんなで災害に強い国をつくっていきたい。トヨクモの企業理念は「情報サービスを通して、世界の豊かな社会生活の実現に貢献する」こと。ITの力で、日本企業の事業継続力を高め、災害に強い国へとする手助けをしたいと強く思います。
大規模な「一斉訓練」を通じて、そこで生じた問題をクリアすれば、強い通信インフラを構築できるはず。日本を災害に強い国にしていくためにも、「一斉訓練」を文化にしたいですね。
トヨクモ代表取締役社長・山本裕次さん
トヨクモ代表取締役社長・山本裕次さん
野村さん 一斉訓練を文化に――山本社長率いるトヨクモにその先導企業となってほしいと思います。
最後に、私自身の経験をお伝えすると、阪神淡路大震災、東日本大震災などの被災地に行き、多くの人が一番に気にされるのは「安否」の確認でした。自分が怪我を負っていても、たとえ食べるものがなくても、「子どもたちが心配だ」「お母さん大丈夫かな」と親しい人を気遣うものです。被災地で連絡がとれない、と困っている場面を何度も目にしました。
すばやく安否が確認できれば、適切な判断にもつながります。「安否確認サービス2」による迅速な安否確認をする/安否確認の連絡を入れることが、働く人にとって当たり前の行動となっていくことを願っています。
「一斉訓練」賛同企業
「一斉訓練」賛同企業

【プロフィール】

山本 裕次(やまもと・ゆうじ)
トヨクモ 代表取締役社長

1990年、野村證券に入社。ドレスナー・クラインオートベンソン証券会社を経て、2000年、サイボウズに入社。その後、サイボウズネットワークス代表取締役社長、サイボウズ取締役を歴任し、10年にサイボウズスタートアップス代表取締役社長に就任。19年に社名をトヨクモに変更。トヨクモではビジネス向けクラウドサービスを手掛けており、「安否確認サービス2」「トヨクモ スケジューラー」のほか、サイボウズ「kintone」と連携する「Toyokumo kintoneApp」として、「FormBridge(フォームブリッジ)」「kviewer(kビューワー)」などのサービスを提供。


野村功次郎(のむら・こうじろう)
防災家 危機管理アドバイザー

広島県呉市消防局では23年にわたり消防士として活動。警防、救助、救急各隊の隊長を歴任した。阪神淡路大震災、新潟中越地震、東日本大震災では救助活動などに従事した。2013年に消防士現役引退。現在は防災家として、災害救助率先者として活動する。
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